26歳の頃(だったと思う)心臓の違和感が不整脈と判明し、カテーテル手術を受けました。
高校生の頃から心臓に違和感があり、その原因が不整脈と分かるまで10年以上かかりました。
その経験を踏まえて、先に伝えたいことを書きます。
大会などランニング中に発生する心不全の話をよく聞きます。
不幸な事故をなくすためにも…
・心臓の違和感は不整脈かもしれません。もしかしたら、突然死に繋がるかもしれません。違和感があったら是非受診してください。
・子供は不整脈の判断が付かないと思います。私もそうでした。急に動きが鈍くなることがあったら、受診を勧めてください。
私の場合、生まれ付きの不整脈で、突然死に繋がる可能性がありました。
病名はよく覚えてないのですが…2つの発作性頻拍症を併発していました。
病名が判明したその日、「運動厳禁、階段も上ってはダメ、できれば1人でトイレにも行かない方が良い。」
なんて言われてしまい、
「えっ!ついさっきまでバリバリ運動してましたが…?」
完全に戸惑ってしまいました。
高校生の頃から自覚症状が現れ、違和感を我慢しながら走っていました。
ただ、それが何だったのか、その時は分かりませんでした。
私の場合、全力で追い込んで心拍数が上がり、少し心拍数が下がったことをきっかけに不整脈が起きました。
そのため…
《事例1》
・1000mのインターバル
→1本目は2分50秒で走り、繋ぎのジョグで不整脈が発生し、2本目から4分とか5分もかかってしまう。
《事例2》
トラックレース
→アップの仕上げでダッシュをした後、不整脈が発生し、レースはダメダメ。
こんなことが、かなりの頻度で発生していました。
当然、周りからは叱責されます。
「病院に行ってこい!」
大学生になってから、何度も病院に行きました。
安静時の心電図を取って異常なし。それでお終い。
「走ると心臓が苦しいんです。」
と、訴えても、
「そりゃ走ったら苦しいよね。ヘモグロビンが少し低いから軽い貧血では?」
これがお決まりパターンでした。
「異常ないなら、お前の気持ちが弱いんだ!」
何度も言われて、
「オレは気持ちが弱い人間なんだ。」と思うようになり、走るのも大嫌いになりました。
一時は完全に走ることを辞めましたが、自衛隊入隊をきっかけに再び走り出しました。
しかし、やはり不整脈に悩まされました。
そんなある日、走っていることを告げずに、
「ただただ心臓が苦しい」
と訴えて近所の病院に行きました。
安静時の心電図を取って異常なし。
いつも、これで終わりでした。
でも、この時は、
「それでも苦しいんです!」
と訴え、
「じゃあ試しにやってみる?」という感じで24H計測するホルター心電図を付けてもらいました。
そして、走る!
インターバルでいつも通り不整脈を起こします。
しっかり自覚症状を確認してから終了。
しばらくして検査結果を聞きに行くと…
「異常ないですね。」
1日の中で発生した不整脈の回数が少ないと異常なしとなるそうです。
「何時何分何秒頃に何かありませんか?」
と、諦められず食い下がると…
明らかな不整脈の波形が見つかりました。
この時初めて、心臓の違和感が不整脈と判明しました。
ただ、そこではどんな不整脈か診断できないとのことで、検査結果を持って大きな病院へ。
最初に行った病院で
「運動厳禁、階段も上ってはダメ、できれば1人でトイレにも行かない方が良い。」
と言われた訳です。
ただ、その病院では手術不可だそうで、更に3つの病院を紹介されました。
1つ目→手術不可。運動は諦めなさい。
2つ目→1つ目と同じ。
諦めかけて…
3つ目→手術可能‼️
ただ、完治する保証はできないこと、リスクがあることなど、色々説明していただきました。(詳細は忘れましたが…)
緊急性がないため数ヶ月待ちの予定でしたが、急遽空きができた…ということで思ったより早く手術を受けることができました。
手術当日はリスクがあるため、なるべく多くの親族に来てもらうように、とのことでしたが、急な手術になったので誰も来れず…
朝8時から手術室に入りました。
よく医療ドラマで見る手術室よりも大掛かりな施設で、大きなモニターやライトがいくつもあり、医師や看護師さんも複数人で物々しい感じでした。
約2時の予定。
局所麻酔なので、全てが見えて聞こえる状態でした。
「絶対に動くな❗️クシャミ・咳をするな❗️心臓に穴が開くから‼️」
なんて言われて、まな板の上鯉状態…ただひたすらジッとしていました。
時々看護師さんが「オクミヤさん大丈夫ですか?」
「オクノミヤだよ」
と、突っ込むこともできず…小さく頷くだけでした。
薬で人工的に心拍数を上げ、不整脈を起こし、原因になっている神経を焼き切る‼️
事前に聞いていたものの、今まで経験したことがない動きを心臓がするもんだから生きた心地がしませんでした。
マンガでドキドキした時に、心臓が飛び出す絵。まさにそんな感じでした。
無事手術が終わり、部屋に戻されテレビをつけると、笑っていいとも!が始まっていました。
4時間以上かかりました。
長い時間掛けて、不整脈を探して手術してくれた医療関係者の皆様には感謝感謝です。
併発していたため時間がかかったそうです。
そのまま2日間安静にして退院。
退院前だったか、退院してしばらくしてだったか覚えてませんが…
手術後初めて走ったのは、病院のトレッドミルで心電図を付けた状態でした。
限界まで心拍数を上げて、ペースを落としても…
「あれっ⁉️苦しくない♪」
なんだか不思議が感じで生まれ変わったようでした。
「不整脈出てませんね。」
ということで、スッキリ完治しました♪
あんなに大嫌いだったインターバルが、
「こんなに気持ち良いんだ‼️」
と、不整脈なく走れる快適さが何より嬉しく、それから、本当に走るのが大好きになりました。
そして、その年、私にとって初めてトレイルランレース「第3回日本山岳耐久レース」に参戦。
私の人生が大きく変わるきっかけとなりました。
もし、あの時不整脈が見つかってなかったら…心臓発作でもう生きてなったかもしれません。
もし、手術を断られていたら…完治しなかったら…もう走ってませんでした。
もし…学生の頃に手術をしていたら…違った選手人生があったかも⁉️
いずれにしても、トレイルランには出会わなかったことでしょう。
来るべくしてこの道に来た、そう思います。
もしかしたら、自分でも気が付いてないだけで不整脈を抱えているかもしれません。
ある日突然、心臓が止まってしまうかもしれません。
冒頭にも書きましたが、もし少しでも心臓に違和感がある時は無理せず受診してみてください。
そして、山でもロードでも走るのが好きな皆様。
いつ目の前で人が倒れるか分かりません。
是非、この動画を見てください。
大切な誰かの命を救うことができるかもしれません。
FunTrails 救護リーダー坂本元太(ゲンさん)による救護動画
1:傷病者対応時の感染防御方法
2:傷病者の評価方法(意識と呼吸の確認2020)
3:心肺蘇生法
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5:傷の手当て方法