金融サミットがワシントンで開かれました。麻生総理は、会見で「歴史的な会合だった」とコメント。世界経済を代表する二十カ国・地域が、これからの世界経済の枠組みについて話しあったという意味では「歴史的」な会合だったといえます。しかし、一方で具体的な内容に乏しいとの声も聞かれます。世界同時不況に対処しながらブレトンウッズ体制に代わる新たな仕組みを模索しようというのですから、すぐに結論がでるとも思えません、具体案はこれからということなのでしょう。気になったのは、フランスや中国に比べて日本の存在感が乏しかった点です。麻生総理は、今回の会議で日本がリーダーシップを発揮したと発言しており、IMFへの最大千億ドル(約十兆円)融資をはじめ、世界銀行との三十億ドル規模の共同基金創設など日本の豊富な外貨準備を活用した貢金が確かに目立ちます。しかし、具体的な枠組みを話しあうであろう次回金融サミットの東京開催については、英仏の連携でロンドンにもっていかれそうで、提案すらできなかったと報じられています。これでは湾岸戦争のときのように、お金だけはらって全く存在感がないということになりかねません。新たな枠組みを作るこれからの局面で日本だけ蚊帳の外となる心配もあります。
今求められているのは、見せかけではなく、本物のリーダーシップです。金融サミットの提案もそうですが、国内の景気対策にしても、実際に効果があるものでなくては意味がありません。これまで補正予算ではその規模だけが水増しされ、効果が上がらないということが繰り返されてきました。今回もその懸念があります。
同じ税金を使うのであれば、例えば、我々が提案している子供手当(義務教育終了まで子供ひとり当たり月額二万六千円支給)を導入した方が、一回きりの給付金と異なり景気対策になるはず。また、二兆円あれば後期高齢者医療制度の廃止と医師不足の解消に使えます。その場しのぎ、見せかけの成果は国内でも海外でも、もうたくさんです。