母: りっちゃん、ボーイフレンドできたの?

りーべ: 嫌だぁ~母ちゃん、どうして?

母: 今日畑でね。

りーべ: うん。

母: 綺麗なアゲハ蝶が飛んできたの。

りーべ: それで?

母: 母ちゃん、りっちゃんが来てくれたと思ってね。

りーべ: うん。

母: 慌ててiPhoneで写真撮ろうとしたらね。

りーべ: うん。

母: す~っと飛んで行っちゃったの。

りーべ: いなくなっちゃったの?

母: そう。それでね。

りーべ: 周りにいないか探したの?

母: そしたら、またす~っと現れてね。

りーべ: 写真撮ったの?

母: 驚いたことにね。

りーべ: うん。

母: もう一匹出てきたの。

りーべ: 写真は?

母: そんな余裕もなく、二匹を目で追っていたよ。

りーべ: (^^♪

母: もしかして?ボーイフレンド?

 

 

 

 

今日、畑で冬瓜の手入れをしてたら、冬瓜の黄色い花に綺麗なアゲハ蝶が飛んできました。

アッ!りっちゃん、と思って慌ててiPhoneを向けたら、す~っと見えなくなりました。

ガッカリと思っていたら、どこからともなくスーっと現れ、驚いたことにもう1匹、付かず離れず飛び回っています。

秋晴れの空の下、隼人ウリの棚を行ったりきたり、とても楽しそうです。

写真を撮ることは諦めて優雅な蝶の舞を目で追っていました。

私にはリーベがボーイフレンドを見せに来たように思えてなりません。


りっちゃん、虹の橋で楽しく過ごしていますか?

ボーイフレンドが出来たのですか?

りっちゃんが楽しそうだと、母ちゃんは嬉しいよ。

 

札幌の息子から、孫がリモートオフ会をしたいと言ってるとラインが来ました。

一緒に昼食を食べ、その後、オセロをしました。

前回は婆は全滅でしたが、今回は21個残せました。

今度オセロをするまでにもっと腕を磨いておこうと思います。

 

 

 

 

短編小説

 

 

化 野

 著者・わびすけ

 

第5章 告白

第四話 

 

 

そして私は嵯峨野路を歩く私たちがいつも最後に訪れたところ、化野念仏寺のまえにたっていました。

あの時、あなたがひとつひとつ丹念に石仏を見て廻る姿を思い浮かべながら、私も一つ一つ見つめながら歩きました。

何故、こんなものに心を注ぎ込んで見いっているのかしらと、あの時あなたを理解する事ができなかったこの私が、

いつの間にかあの石仏に心を奪われていたのです。

一つ一つ、見逃すことのないように見て廻りました。

そして私はある一体の石仏の前に釘付けにされてしまいました。

そこにあなたがいたのです。

私の目の前の石仏があなたなのです。

私はこの時、もうあなたはきっと電話をくださらない。

....そうはっきり知ったのです。

......ごめんなさい、私ばかりお話してしまって」


 三条の河原を歩きながら、綾はしずかに、ゆっくり喋り続けました。
 「それで.....。わたし、両親のすすめるその人と結婚することに決めたんです。」

 
©All rights reserved わびすけ

 

(化野念仏寺の石仏の中に、探し求めている面影が必ずあると言われています。)

私も若い頃よく化野念仏寺を歩きました。