当院には、生理が数カ月間止まったままだったり、生理周期が乱れたるなど、生理不順に悩んで来院される方もいらっしゃいます。

 

また、腰痛や肩こりなどを主訴として、来院された方の中でも、生理不順を抱えている方もかなりいます。

 

閉経を迎えるまでの女性にとって、規則的に生理がくる、というのは健康のバロメータでもあります。

 

それが乱れているということは、婦人科系だけにとどまらず、身体に何らかの異常が起きている、ということを示しています。

 

今回は「理学整体で、なぜ生理不順が改善されるのか」、について取り上げます。

 

●生理のしくみ
卵巣から排卵が起こると、子宮内の子宮内膜が厚くなり、受精卵を受け入れる準備に入ります。

 

妊娠しなかった場合、肥厚した内膜は必要なくなるため、子宮からはがれて血液と一緒に排出されます。

 

これが生理です。このようなプロセスが女性ホルモンの働きによって、毎月繰り返されます。


●生理不順になるのは?
女性ホルモンは卵巣から分泌されます。そしてこの分泌は、脳の「視床下部」というところで、コントロールされています。

 

ここでは、その分泌量も調整しています。つまり「視床下部」は、女性ホルモン分泌の最高中枢です。

 

また「視床下部」は、身体の機能を自動的に調整する、自律神経の最高中枢でもあります。

 

このため女性ホルモンと自律神経とは、密接な関係にあるのです。

 

つまり、卵巣からの、女性ホルモン分泌の異常は、自律神経の異常を引き起こし、逆に自律神経の異常は、女性ホルモン分泌の異常を引き起こすのです。

 

卵巣、自律神経が正常に働いていれば、女性ホルモン分泌は正常に行われ、規則正しく生理がきます。

 

逆に卵巣、自律神経が正常に働けなくなったとき、生理不順などの症状が起きるのです。

 

●女性ホルモンの分泌に異常が起きるのは?
・姿勢と卵巣機能の関係
生理不順の患者さんは、多かれ少なかれ図1のように、腰・背中が丸く、骨盤は後方に傾いた姿勢になっています(腰椎後弯、骨盤後傾)。

実際には、左右の傾きや回旋なども加わりますので、骨盤内にある卵巣は、圧迫されたり、傾いたり、ねじれたりし、本来の正しい形、位置を維持することができません。

 

この状況では、卵巣は正常に働くことができず、女性ホルモンの分泌に支障をきたす可能性があります。


・姿勢と自律神経の関係
自律神経には「活動時の神経」である交感神経と、「休息時の神経」である副交感神経の2タイプがあります。

 

外界や体内の変化に対応するために、これら自律神経が、バランスよく働く必要があります。

 

図1ような姿勢では、身体前面にある腹筋が強く収縮し、それによって後面にある背筋は、引き伸ばされているため、交感神経がより優位に働いてしまいます。

 

つまりこのような姿勢では、自律神経はバランスよく働くことができず、女性ホルモン分泌に、支障をきたす可能性があるのです。

 

図1のように、身体前面の腹筋が強く収縮し、後面の背筋が引き伸ばされてしまうのは、身体の前面・後面の筋肉が、正しく伸び縮みできていない、ということです。

 

理学整体では、このことを「卵巣や自律神経が、正しく働くことができないような、『身体の壊れ方』がある」と表現します。


●理学整体でなぜ、生理不順が改善するのか?
図2の女性は、腰・背中が伸び、骨盤が前方に傾いています(腰椎前弯、骨盤前傾)。

 

これが本来の正しい姿勢です。

 

施術により「身体の壊れ方」が改善され、図2のような姿勢になってくると、骨盤内にある卵巣は、本来の正しい形、位置を維持することができます。

 

また、腹筋の収縮が弱まることで、引き伸ばされていた背筋に余裕ができるため、自律神経のバランスが改善されます。

 

これによって、卵巣や自律神経は本来の正しい働き方ができ、女性ホルモン分泌も正常に行えるようになります。

 

その結果として生理不順が改善するのです。


●理学整体の施術 
理学整体では、「身体の壊れ方」にアプローチすることで、諸症状を改善していきます。

 

生理不順の患者さんの中には、「生理中は、お腹や腰が痛くなるので、生理がこない方が楽でいいかも・・・」と言われる方がいますが、それは決して「楽」ではないのです。

 

生理不順は、婦人科系だけではなく、自律神経のバランスなどに、異常があることを示しているからです。

 

生理不順、生理痛などの症状のある方、また、その他あきらめている痛みなど諸症状のある方、是非一度ご相談ください。

 

★祝日開院のお知らせ  
2月12日(月 振替休日):9時半~14時まで開院いたします。
よろしくお願いします。