半月板は膝の関節内にある軟骨組織で、スポーツによって傷めることが多い組織です。

 

当院の患者さんの中にも半月板損傷と診断された方は何人もいらっしゃいます。

 

そして、その中には保存療法(手術をしない治療)や手術で、半月板損傷の治療は終了していても、痛みが続き、歩行、階段昇降、しゃがみこみ、正座などの生活動作に支障がある方がいらっしゃいます。

 

受傷時期や、受けた治療などにもよりますが、理学整体の施術は、半月板損傷による膝の痛みにも効果を発揮し、生活動作の改善が図れます。

 

●半月板とは
半月板は大腿骨(大腿の骨)と、脛骨(けいこつ 下腿の骨)の間にある軟骨組織で、次のような役割を持ちます。

 

両骨の適合性を高める、関節の動きをなめらかにする、膝関節にかかる衝撃を吸収する・・・等々。

 

図のように半月板は、内側半月板、外側半月板からなります。

 

内側半月板は、関節包を介して靭帯などと結合するため、外側部にはわずかに血流はありますが、内側部には血管はなく、血流は得られません。

 

このため、半月板には自己治癒は望めないのです。

 

●半月板損傷
半月板損傷はジャンプして着地した際、膝関節へ過剰な負担がかかったり、足部が固定された状態で身体をねじり、膝関節に回旋が強制されたときなどに起こりやすいものです。

 

疼痛、発熱、発赤、腫脹など膝関節周囲に炎症が起こり、歩行、階段昇降、しゃがみこみ、正座などの生活動作に支障を生じます。

 

●膝の痛みの本当の原因は?
整形外科を受診すると、軽度な場合は保存療法となりますが、ある一定以上の損傷になると、手術を勧められます。

 

手術では、内視鏡下で損傷した半月板を切除したり、断裂した部分を縫合したりします。

 

このような半月板損傷の治療が終了しているのに、痛みが残り生活動作に支障を残すのはなぜでしょうか?

 

半月板自体に問題があるのでしょうか?

 

まず、言えることは、半月板には血流だけではなく、神経もないということです。

 

このため、半月板が傷つくことで、半月板自体が痛みを発する、とは考えられないのです。

 

つまり、「痛みの原因は半月板自体にはない」、言い換えれば他に原因がある、ということになります。

 

では、膝の痛みの本当の原因は何でしょうか?

 

それは、膝の痛みを起こすような、「筋肉の壊れ方」が生じていることが原因です。

 

つまり、膝を動かす筋肉をはじめ、全身の筋肉が正しく、働くことがしにくくなっている、ということです。

 

関節内の組織を損傷してしまうほどの負担が、膝にかかった訳ですから、膝周りの筋肉をはじめ、身体全体にもダメージがあったはずです。

 

ここでは、スペースの関係上、膝周りの筋肉の壊れ方に絞って説明します。

 

●膝周りの筋肉が壊れると・・・
膝を曲げるときは、正常では大腿後面にある筋肉が収縮し、大腿前面にある筋肉は柔らかく伸びて、その動きを妨げないようにします。

 

膝を伸ばすときは、その逆で、大腿前面にある筋肉が収縮して、後面にある筋肉は柔らかく伸びます。

 

このように、それぞれの筋肉が、その役割を正しく果たしているときには、膝関節を構成する大腿骨と下腿骨は正しく組み合わさり、スムーズに屈伸できるのです。このとき痛みは生じません。

 

しかし、膝周りの筋肉が壊されて、正しく働けなくなった場合、大腿骨と下腿骨の組み合わせが不適切になり、膝のスムーズな曲げ伸ばしが阻害されます。

 

つまり、歪んだ状態で関節運動が起こるため、運動時に痛みが生じるのです。


●理学整体の施術
理学整体の施術では、壊された筋肉が正しく働くようにアプローチします。

 

筋肉が正しく働くようになれば、大腿骨と下腿骨は正しく組み合わさり、関節を動かしたときの痛みは改善していきます。

 

膝の痛みに限らず、もう治らないと諦めている痛み、しびれなどの諸症状がある方、是非一度ご相談ください。

 

★祝日開院のお知らせ  
10月9日(月 体育の日):9時半~17時まで
開院いたします。