廃棄物情報の提供に関するガイドライン

2.1 情報提供/情報共有の必要性

続きです。

表 2-2 
処理業者アンケート結果におけるヒヤリハット/事故事例

【汚泥】
・事前の情報及びサンプル評価では引火性が確認されなかった為、一般的な汚泥処理を想定していたが、入荷物は「常温引火」であり別処理をした。(処理工程変更) 
・ドラム缶の汚泥が上部と下部はサンプル通りだったが、真ん中は別のものだったことがある。固形物は発見しにくいので、処理する前に別容器に空けるようにしている。 
・汚泥が入っているドラム缶の蓋を開けたら活性汚泥で、腐敗臭気が周辺に漏れ出た。

【廃油】 
・サンプルとは異なり、油分の少ないものがあった(油水分離処理に向かない) 
・3種類の廃油を混合する前処理作業中に、発ガス(アンモニアと思われる)反応が発生し、従業員6名が吸引し中毒を起こした。混合によるガス発生の危険性について記載された MSDS が営業担当者から処理担当者へ渡されていなかった。 
・分析機器がなかった 20 年以上前に A 重油の中にアルミが入っていたことがあった。
CD の削り出し工程で切削油の代わりに A 重油が使われてアルミが混入し、反応によ り水素が発生しドラム缶が飛んだ。

【廃酸】 
・いつも受け入れている廃棄物と思い、通常通りの処理薬剤を投入したところ急激な反応をおこしガスが発生した。 
・サンプルとは異なり、沈殿の多いものであった(噴霧焼却に向かない) 
・分析廃液の中に鉄シアノ錯体が混入していることを排出事業者が気づかず、そのまま処理を委託した。処理前の分析で発見した。

【廃アルカリ】
・サンプル、WDS にない樹脂成分が含有していたため配管での詰まりが発生。 
・アルミ屑が意図せずに廃アルカリに混入すると水素を発生し危険。蛍光 X 線での検査、希釈した苛性ソーダとの混合での反応性から酸化アルミか金属アルミかを判定し ている。
反応したら単体処理する。切削油に微粉のアルミが混ざることはしばしばある。
・大学等の実験廃液では WDS 等はあるが成分以外のものが混入していて処理作業時に ガス発生のおそれがあった。(ヒ素、水銀など)

次回に続きます。

参照:環境省

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