◎ その他の提供情報
WDS を補完する提供情報として、MSDS、サンプル、写真、分析表等があり、これらの 特徴を以下に記します。

・MSDS

MSDS は、混合物ではなく単品の薬品等が古くなり廃棄する場合等に有効です。 また混合物の場合に、MSDS に CAS No.の記載があれば、物質の特定に有効な ので WDS に転記してください。混合物の場合に、それらの物質毎の MSDS の 全てを複写して処理業者に提供する運用も見られますが、紙枚数が多くなり過ぎ て必要な情報の共有が困難になる可能性があるため、WDS を活用してください。

・サンプル

サンプルは、実際の廃棄物受入前に反応テスト等で処理方法を選択・検証できる ため受入の最終判断材料として重要な情報提供方法です。ただし、処理の計画を 立てる上では、廃棄物が何であり何を含むか等の成分情報が基本的な判断材料で あり、サンプルは WDS の次の段階で必要なものの位置づけです。また、サンプ ルが委託する廃棄物の性状や成分を代表していることが重要であり、例えば沈殿 分離している廃棄物の一部分を抽出したサンプルでは処理方法等を適切に評価 できない場合があるので注意が必要です。

・写真

写真は、廃棄物の荷姿を視覚的に伝えたり、容器のラベルに記載された情報を伝 えられることもあり、WDS を補完する情報提供方法として有効です。

・分析表

分析表は、廃棄物の組成・成分、有害物質の含有、廃棄物の物理的性状・化学的 性状等を判断するために有効な情報提供方法の一つです。ただし、サンプルと同 様、現に委託する廃棄物について分析された結果であることが重要で、時間が経 過し組成が変動している場合は不適切であること、そして分析結果を踏まえて、 処理業者において取り扱う際に必要と考えられる注意事項等について情報共有 することがなにより重要であることから、あくまでも WDS を補完する位置付け であることに注意が必要です。

次回に続きます。

参照:環境省

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