産業廃棄物の検定方法に係る分析操作マニュアルについて

平成 27 年度~30 年度の検討会において指摘されていた課題及びその結論

(1) 平成25年度の環告13号の改正では十分に検討できなかった規定があり、分析値のばらつき が大きくなる操作因子がいくつか残っている。
特に、試料を溶媒と混合してから溶出操作を 開始するまでの時間、また溶出操作後に遠心分離・ろ過操作を行うまでの時間が分析結果に 影響する場合があることが指摘されていた。
振とう前、または振とう後の放置時間は結果に 影響を及ぼすものの、現状では放置時間の許容限度の厳格化は実務上困難であることを考慮し、「できるだけ速やかに」の記述を追加することとした。

(2) 水銀やベンゼン、クロロホルムなど、社会的に使用を削減することが求められる有害な化学物質を使った分析方法が規定されており、実験条件の見直しが求められている。
水銀を使用 していた有機塩素化合物及び、ベンゼンを使用していたアルキル水銀の規定については、水 銀及びベンゼンを使用しない分析方法へ変更することとした。

(3) 有害物質の測定方法として引用している日本工業規格(JISK0102)が2013年および2016 年に改定され環境分析法では既に採用されているが、環告 13 号においては 2008 年版の JIS が採用されている。
今回検討した項目については 2013 年版と 2016 年版では変更がないこと から、廃棄物試料について 2016 年版の JIS が採用できるかを検討し、採用できる項目につ いて 2016 年版の JIS へ変更した。一方で、採用が困難な項目については、採用できる測定 方法を限定、又は採用可能な条件を示す等の方向で改正することとした。

(4) 平成 28 年度の環境省による環境測定分析統一精度管理調査において、ばいじんからの六価 クロムの溶出量の分析精度が著しく低く、再現性の高い分析方法が求められている。
そのた め、妨害物質の影響を低減できる測定方法を新たに告示に示し、従来方法を用いる場合には、 添加回収試験で回収率80~120%の間であることを義務付けることとした。

次回に続きます。

参照:環境省

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