産業廃棄物の検定方法に係る分析操作マニュアルについて

平成 21 年度~23 年度の検討会において指摘されていた課題
(1) 試験法の詳細が規定されていないため、ろ紙、遠心分離操作の採用等の判断が分析機関によって統一されていないため、分析値のばらつきが大きくなる場合がある。

(2) 土壌汚染対策法(平成15年)に基づく土壌環境基準は溶出試験による測定法であり、産 業廃棄物の試験法と類似している。
しかし、操作の詳細が異なるため、例えば残土等の受 け入れに関して、土壌溶出基準は満たすが、海面埋立基準を満たさない等、データの不整 合が生じ、検定結果の評価に支障を来す場合がある。現在、東京都埠頭公社等において は、海面埋立を目的とした残土の受け入れについて、この環告 13 号(固液比 3%での溶 出試験)での評価を求められており、ろ過条件の違い(GFP ろ紙使用の場合に溶液への 微粒子混入)などが原因で、環境基準を満たしている試料でも環告 13 号に基づく分析では基準超過するケースも多く見られる。

(3) 個別リサイクル法の制定により廃棄物の再生製品が増加し、利用にあたり環境安全性を評価する試験法(主に溶出試験)のニーズが高まっていることから、(2)の土壌環境基準 の測定方法に準じた取り扱いがなされる場合が多い。
しかし、環告 13 号に基づく検定方 法との整合性について、評価に支障を来す場合がある。

(4) 有害物質の測定方法として引用している日本工業規格(JIS K 0102)が 2008 年に改定 され環境分析法では既に採用されているが、環告 13 号においては採用されていない (1995 年版及び 1998 年版の JIS を採用している)。

(5) 海外の産業廃棄物の溶出毒性に関する試験法と整合していない。
環境省は上記の課題をふまえ、平成 21 年度~23 年度に産業廃棄物の検定方法の検討を行 い、平成 25 年度に環告 13 号を改正した。その検討内容と経緯については、当時の報告書(平 成21年度~平成23年度 産業廃棄物の検定方法等検討業務報告書、(一社)廃棄物資源循環 学会)を参照されたい。

次回に続きます。

参照:環境省

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