平田玉蘊「山中閑居図」 絹本彩色 縦120cm×横35cm
平田玉蘊が山中の隠士を描いた作品である。
小川のほとりに庵を構え、隠士が書を読もうとしている。穏やかで満ち足りた表情である。
玉蘊自身も絵を描きながら、こうした隠士の生活を理想としたのであろう。川の流れは清らかであり、二本の松がよいアクセントになり、画面を引き締めている。
庵の背景には、比較的急峻な山が聳えるが、中国の厳しい山水というよりは、日本的な穏かさを感じさせる山々である。山の遠方に細い二筋の滝が見える。
落款は、玉蘊 印は「玉蘊」白文長方印である。
絵を見ていると、心が癒されるようである。庵のたたづまい、松の色、水の色、山々の色、全て優しい色彩の世界である。
玉蘊にとっての山水の理想郷を表現した世界であろう。



