監査委員の任期中4年間に多くのことを感じましたが、その中の一つ。
臨時財政対策債について。
相対的に所得水準の低い地方の自治体に対して、国からの財源保障が行われることを通じて、実質的には地域間の所得再分配の機能が強く働いてきました。
こうした財源保障と所得再分配の機能は、1990年代を通じて強化されてきましたが、2000年度以降は、国の財政事情の悪化から地方交付税が大幅に減少しており、こうした機能は縮小に転じています。
財源不足に対して本来は国から自治体に交付税が交付されるべきところを、国にその原資が無いために、臨時財政対策債なるものを作り、自治体がその臨時財政対策債の発行により賄わざるを得ない 状況となっているのです。
臨時財政対策債が広義の地方交付税とみなせる存在だとしても、地方債であることに変わりはありません。
このように借金を前提とした財政運営を余儀なくされていることは、後年度への負担の先送りであり、財政の硬直化を招くことになることは明らかです。
このような状況を受けて多くの自治体では、公共投資の大幅削減など歳出カットを進めていますが、高齢化を受けた社会保障関連支出の増大などから、歳出削減は十分には進んではおらず、地方の自治体の財政状況は逼迫の度合いを強めているという実態があることを、まず認識することが必要です。
(コメントへ続く)
