サスケと言うと
「途中まで面白かったのに…」
とか
「最後まで読むんじゃなかった」
とかの意見が多いのが気になった
自分もサスケの最後を
覚えてなかったので
今回、読み直してみて
すごくやるせなくなってしまった
(アニメ版とマンガ版ではラストが違う)
影丸伝やカムイ伝にも言えるのだが
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やりきれない「サスケ」の
ラストを読んで
白土三平先生の生い立ちに
迫ってみようと
探検隊一同(私一人だが)
は立ち上がった
という感じで気軽に
探求したのはいいが…
今回、こんなに重いテーマ
になるとは思いもしなかった
本名は「岡本登」さんで
父親はプロレタリア画家の
岡本唐喜さん
プロレタリアって何だっけ?と
調べてみたら
「資本主義社会で、生産手段をもたず、
自分の労働力を資本家に売って
生活する賃金労働者。
また、その階級。無産者」
何のこっちゃ?て感じだったので
さらに調べてみた
岡本唐喜の同志に
「蟹工船」の
小林 多喜二がいた
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「言葉狩り」で多喜二は
特高警察につかまり獄中
で死亡する
死因は心臓麻痺による病死
と報告された
翌日遺族に返された多喜二の遺体は、
全身が拷問によって異常に腫れ上がり、
特に下半身は内出血により
どす黒く腫れ上がっていた
拷問は、こめかみ、首、背中、太もも、
陰部などに加えられ、手の指は反り返
されていた
その死に顔を書き残したのが
同志で同い年の岡本唐喜だった
どれほど無念だった事だろう
プロレタリアとは
元々、古代ローマの最下層の市民
という意味だそうだ
このブログ始めた頃は
昔は自由でよかったなんて
思っていたが…
今ほど自由で豊かな時代
は、ないのかも知れない
言論の自由や文学、芸術を
守るために、まさしく命がけ
の時代があった
唐喜も特高につかまり
その時うけた拷問で
後に脊椎カリエスを患う
(結核菌が脊椎を侵食していく病)
極貧生活で飢えに耐え切れず
白土先生は
木屑(おがくず)を口にした
ことも…
(ホームレス中学生は
ダンボールでしたっけ)
とにかく草やキノコ等、食べれる物
を見つける本能は研ぎ澄まされた
これが後に「サスケ」や「カムイ」
の中に生かされている
(カムイ伝 第2部より)
登(白土三平)の一家は
特高から隠れるために被差別部落や
朝鮮人部落など各地を転々とする
そこで体験したのは差別と迫害
の現実であった
この幼少期の記憶が
「サスケ」や「カムイ伝」
といった作品に影響を与えた
のかも知れない
「正義は必ず勝つ」なんて
キレイ事は言えない現実を
思い知らされたのだ
現実を見せられた者は
「見るんじゃなかった」
「知らなければよかった」
と言ってしまうほど
サスケのラストは闇に隠された
情け容赦ない現実だった
一揆でやぶれた後に
残ったものはひさんな
みせしめであった
愛する人たちは殺され
磔にされ、さらし首に
された
一人生き残ったサスケは
廃人になり、弟の小猿を
さがして荒野をさまよう
宿敵の柳生十兵衛はトドメを
さすのをやめてしまう
すでにサスケは死んでいるのと
同じだったのだ
光あるところに影がある
まこと栄光の影に
数知れぬ忍者の姿があった
命をかけて歴史を
つくった影の男たち
だが人よ 名を問うなかれ
闇にうまれ 闇に消える
それが忍者のさだめなのだ
「サスケ お前を斬る!」
このナレーションの意味が
やっと分ったような気がする
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