【505号】2016/9/20
自宅謹慎もあと2日で明ける。
意識しまい、と思っていたけど、やはり、どうしても気をもんでしまう。
謹慎期間中は、当然ながら、自分だけで外出はままならない。家族同伴でないと、勝手な外出は許されないのだ。仕方ないので、学校から命じられた「トイレ掃除」だけでなく、家の仕事も、当然ながら引き受けざるを得ない。
親父は職人だから、朝は誰よりも早い。7時前、現場によっては6時前に家を出て行く。でも、いつも弁当持参だから、母さんはその1時間前には起きていて、毎日必ず弁当を作っている。で、(それまでは実感なかったけど)弁当って、1個詰めるも、2個も手間は変わらないらしく、社会人の姉貴の分も同時に作って詰めていた。
母さんから、
「浩太。あんた、謹慎なんだから、いちど弁当詰めるの手伝ってみなさい。毎日やるのが、どんなもんか、はい、経験・経験!」
ということで、何度か6時に起こされたけど、ついに一度も実現しなかった。
「ワタシ的には、トイレ掃除もいいけど、毎朝の弁当作りを、学校から言って欲しかったな」
と母さんがボヤいていた。
ところで、樋口ら友達とのLINEのやり取りは毎日続けていたけど、実は、はる香とのやり取りは、一時、中断していた。
俺自身、今回のことでいろいろ考えるきっかけを貰ったと思っている。普段、ある意味、無我夢中でやってきたけど、ここで「パウゼ」(休憩)を入れることで、自分の生活や「あり方」を見直す時期にもなったからだ。
だから、はる香には
「悪いけど、謹慎開けまで、ちょっとLINEは止めとくわ」
と伝えた。
「ええ~淋しい淋しい淋しい淋しい・・・」と、延々と描かれたけど、しばらく既読スルーしたら、やがてメッセージが来なくなった。時々、2日に1回くらい、ヘンなスタンプが来るだけになった。
(トレンディ・エンジェルの斎藤さん、とか)
ま、いずれにせよあと2日だ。
「アルルの女」と、「フィンランディア」、モーツアルト「交響曲第29番」のスコア(総譜)を毎日見まくっていた俺は、いちコンサートマスターとしてだけではなく「指揮者」「作曲者」の視点から曲を解釈しようという気持ちになってきていた。
(つづく)