『マイキット』と言えば、1960~1970年代に『電子ブロック』と
人気を二分した『電子キット』である。
私と同年代の電子系エンジニアには,この電子キットの影響を受けた人が多いらしい。
電子キットは、限られた部品で多くの電子回路の実験ができる『教育玩具』。
つまり『電子回路学習キット』である。
半田ごてを使わずに何度でも分解・組立できる点が特長である。
◆電子ブロック初期モデル ◆電子ブロック後期モデル
マイキットはスプリング金具の電極にリード線を挟み込んで配線する独特の方式。
学研が発売しており、中一コース(学習雑誌)に時々地味な広告が出ていたが
使用レポートなどの宣伝記事は見かけなかった。
私が中1か中2の頃買ったマイキット・オールマイティは鉱石ラジオやトランジスターラジオの他、
モールス練習機、ランプ点滅回路、警報装置など50種類の実験ができた。
◆マイキット・オールマイティ(当時の高級キット)
◆マイキット方式の配線手順(スプリング端子にリード線を挟んで接続する)
このキットには地方では入手困難な太陽電池、Cdsセル(光センサー)、小型リレー(トランジスター用)、電流計などが付属していて、この点でも画期的で豪華な製品であった。
雑誌で良く見た『光線リレー式警報機』(Cdsセルと小型リレーが要る)も、このキットではいとも簡単に実現できた。
大げさにいえば、マイキットは地方の少年の夢を実現する製品であった!
50種類の回路の中には、エンジン回転計などの実用的でないものもあったが、
エレクトロニクスの基礎や、応用分野を遊びながら学習できた。
このキットが
私の人生(どの仕事を選ぶか)に大きな影響を与えた
ことは間違いない
ありがとう マイキット!
【補足】
光線リレー式警報機は通路に設置し,人がライトの光を遮るとベルが鳴る装置。
光源を赤外線ライトにすれば、映画によく出てくる赤外線警報機となる。
今なら赤外線LEDが入手できるので、容易に実現可能(まだ作ってなけど…)