NHK Eテレ 今夜の「芸能きわみ堂」は、尺八、三味線、お箏でした。


藤原道山さん、LEOさんが出ていました。興味深く見ました。🧐🌸



藤原道山さんのお言葉です。演奏と楽譜の関係について。


(楽譜より)音の方が大事、楽譜は音楽の遊び場


ふむふむです。🤔

あのクラスのトッププロが言う事だから、我々の演奏世界とはレベルは違いますが、


レベルが違うなりにおっしゃってる事はわかる気がしました。楽譜は曲の備忘録です。それはわかる。





そして藤原道山さんは作曲家の事にも触れ、


「楽譜にこう書いてあるけれど、こうとしか書けなかった。」


おおこれは本当に同感です!

これは、古曲にも現代の曲にも本当にそう感じる事がよくありますし、作曲家ご本人がそうおっしゃる事もあります。こうとしか書けなかった、って。




古曲も、歌の部分、私はひねくれ者だから、

◯◯検校さんはここの所、作った時はこうじゃなかったんじゃないかしら?口伝で弟子から弟子に伝えるうちに変形したのでは?🧐


と疑う所がよくあります。変だもの。どう考えても。というヶ所を時々感じます。違和感。


早い話「六段の調」を例にあげれば、元は八橋検校先生の作られた曲ですが、各流各派で違うのは口伝の結果ではなかろうか。


六段だけじゃなく他の曲だって古曲はオールそうじゃないでしょうか?どの曲も各流各派で歌も手もかなり違います。寸法も。


古曲はお箏と三弦で合わせる曲が大部分ですが、合わせていて違和感を感じる時もあります。🤔作曲した検校さんがここに居たらどうおっしゃるかな・・とか。



ちょっとまた話が逸れそうなので戻しますが、



現代の曲は、現代人にはわかりやすいと思います。同じ時代、同じ生活背景ですから。


なので、「こうとしか書けなかった」というのも、現代曲の方が理解しやすいと思います。


私が思うに、例を手っ取り早くあげるならば、「二拍三連」。


これは楽譜には書き表す事は不可能な事だと思うのです。なぜなら、3等分は数学的に割り切れないし、二拍三連そのものもですが、終わった後に出て来る次の音、その「次の音」とどう繋げて行くかは、これは答えは出ないのではないでしょうか?どう扱うかは作曲家の考え次第だと思うのであります。



弾くならば。


お箏を弾く人は、「一拍三連」は割に易しく出来ると思うのです。


だから「一拍三連」を2回し、そして6つ弾いていた所を一つおきにスクイ爪を入れて、

「タツツタツツ」を

「ツルツルツル」に変換する訳です。


これのスクイ爪の部分「ル」を抜いたら

「ツ・ツ・ツ・」

となる。機能美を求める曲、縦横はっきりさせる作曲者の曲はこれは有効だとおもいます。


しかし!

作曲家によったら、この

「ツ・ツ・ツ・」

の「ツ」の位置が、

「ツ――ツ――ツ」

と弾く事を求める作曲者もいます。



という事はですよ、

「ツ・ツ・ツ・」の場合、この二拍三連が続くと、

「ツ・ツ・ツ・ツ・ツ・ツ・」

となり、2回目の二拍三連が出る前に、1回目の最後の「・」が来るから、6つの音と音の間は均等になる訳です。


しかし

「ツ――ツ――ツ」の場合、2回繰り返すと

「ツ――ツ――ツツ――ツ――ツ」

となり、音と音の間は均等ではない訳です。

1回目が済んだらすぐ2回目の最初の音が出て来ます。


この両者はどう聴いてもリズムは違うし、クラシカルな曲の先生は前者だし、ラテン系の曲の先生は明らかに後者です。



しかし楽譜に起こした時、


この、

「ツ・ツ・ツ・」

「ツ――ツ――ツ」

も、表記は同じなのです。書きようがないから。


具体的に例をあげるなら、一番わかりやすいのがこの「二拍三連」ではないかと思います。どう弾くかは奏者の好みとセンス。


ちょっと余談を一つ。

「二拍三連」を、時々

「ツ――ツ――ツ」

と弾こうとしても大合奏では合わないから、

「タ・ターン・タ」

と弾いてるのを耳にする時があります。

続けると

「タ・ターン・タタ・ターン・タ」

となってる。

8分音符、符点4分音符、8分音符

です。


4分の4拍子の中ではこれはリズムとしても成立しないし、2つ目の音「ターン」を符点4分音符とも違う、微妙な長さにして、3つ目で寸法を合わせた感じです。

これはちょっと違うのではないかとよく思います。


二拍三連は難しいですものね、そう弾くとまとまり易いのかとは思いますが。



藤原道山さんがおっしゃったのはこんなレベルの事ではないとは思いますが、


音楽は生き物だから、楽譜通り四角四面に弾いたら「機能美」は表現出来ますが、そこまでだと思うのです。

「楽譜は遊び場」

とおっしゃってた。名言です。


私の主観ですが、沢井比河流先生の曲も、楽譜通りというより、感覚で弾く曲が多いように感じます。どこまでもヘビーに、影を引きずるように、泣き叫ぶように、深く深く。

この先生の曲を楽譜通り機能的に弾いたら明るい曲になってしまうように思います・・


沢井比河流先生の曲は頭がクラクラするほど良いです。特に2章が良いですね、どの曲も。🤩



キリがないのでもうやめます。☃️


よい番組でした!😳🍊


いつもくどくど書いてるのを読んで下さってありがとうございます。m(_ _)m