新潟県山間部の山古志村小松倉地区と広神村(現在は魚沼市)の間には、日本最長の手掘りのトンネルが存在します。

 

それが、全長922メートルの「中山隧道(ずいどう)」です。

 

山古志村の人々がトンネル掘りを行ったのには切実な理由がありました出口のないトンネル

 

山古志村は入り組んだ山間にあり、小松倉地区は四方を山に囲まれて食料の買い出しや病院に行くにも、中山峠を越えた広神村経由で小出町に出るしか道がなかったのです。

 

中山峠超えは、普段でも1時間以上かかるのですが、冬になると、ここは日本でも有数の豪雪地帯で積雪が4メートルを超え、途中で吹雪に遭うこともあり、困難を極めていました雪。

 

そこで、昭和7年、集落での話し合いでトンネルの建設計画が決まりました。

 

翌年11月12日からトンネル工事が始まり、報酬もなければ見通しもないまま掘り続けたといいます。

 

戦争のために中断されていたこともありましたが、昭和22年には再開され、昭和24年5月1日、ついに広神村側に貫通しました。

 

それからは、何度も拡幅を重ねながら、昭和57年には国道291号線のルートの一部になりました。

 

平成10年、国道291号線の改良によって「新中山トンネル」が開通し、その役割を終えることになりました。

 

東京都の交通事故に強い弁護士