雲谷峠(という名の山)は、青森市から南方の八甲田山系を見るときにぽかりと見える山です。地形的にはその南麓が峠状になってはいます。

 

青森市内から見る雲谷峠(1997年)

青森市郊外から見る雲谷峠(右)と八甲田山系(左)(1997年)

雲谷峠(1997年)

 

国土地理院2.5万分の1地形図 雲谷 より

 

この雲谷(もや)は、北海道各地にあるモイワ(藻岩、茂岩、萌和などと書くことがある)と同じで、小独立丘を示すアイヌ語地名です。東北地方のアイヌ語地名に興味を持つまでは、「くもたに」と読むのだと思っていましたが・・・・。

 

この雲谷峠は、青森市民の手ごろなスキー場となっています。札幌で言えば藻岩山スキー場のような存在でしょうか?。ただし札幌の藻岩の方は本物のモイワではなく、元インカルシベ(見まわしの山)で、札幌の本物のモイワは今の円山です。2021年5月の連休に青森県のアイヌ語地名探索の際に24年ぶりに訪ねました。

 

ひときわ目立つ存在青森市南郊より(2021年5月4日)

雲谷スキー場より(2021年5月4日)

雲谷スキー場より(2021年5月3日)

雲谷スキー場西南より望む(2021年5月3日)

 

雲谷峠南方にある岩木山展望台兼八甲田除雪隊発祥の地


岩木山展望台より南面(裏側)を見る(2021年5月3日)

雲谷峠南方より見る岩木山(2021年5月3日)

雲谷峠南方より見る岩木山(2021年5月4日)

秋田県の阿仁川流域、今はほとんどが北秋田市となっている地域ですが、アイヌ語地名の濃厚な土地です。

 

とりわけ、ナイのつく地名が秋田内陸縦貫鉄道沿いの子こ地域に集中しています。

 

そのひとつに笑内(おかしない)があります。

 

”笑”と書いて”おかし”と読ませることが、そもそもおかしいのですが、“おかしい”と打てばふつうは”可笑しい”と出てきます。
 

実際に、北海道の乙部町には可笑内(おかしない)川があります。

 

いずれも"funny"という意味はありません。「おかしない」は永田地地名解では「オ・カシ・ナイ」o-kash-nay仮小屋のある川という意味であろうとしています。

 

似たものには、北海道登別市には岡志別(おかしべつ)川があります。

 

秋田の笑内

 

 

国土地理院地図 阿仁合 より

 

笑内駅

 

笑内駅

 

笑内駅

 

同行のN氏とツーショット(2022年)

 

笑内駅からマタギの里として有名な根子集落に行く短絡トンネルがある

 

 

 

北海道乙部町の可笑内

札幌から道南の江差・松前方面に行くには、噴火湾沿いの八雲から雲石峠を越え日本海側に出て、そのあと海岸線をひたすらマンカスるわけですが、その途中に可笑内があります。

国土地理院地図 相沼より

 

可笑内川にかかる可笑内

【図1】国土地理院より

 

能取湖の北、常呂町側から伸びる砂州上にモイワ山があります。

 

このモイワ、昔の地図には名前が記載されていたのですが、いまのものからは消えてしまいました。【図2】の中央にカタカナで「モイワ」と左書き記されているのがわかると思います。

 

これまで2回見に行っているのですが、いずれも天候が悪く、満足に見ることはかないませんでした。

 

ある年の8月10日、3回目にしてやっときれいな姿を見ることができました。ただ、はじめに行った20年以上前に比べて西側が削られてなめらかな形がうしなわれてしまったような気がします。

 

【図2】明治28年道庁切図より

 

【図3】国土地理院2.5万分の1地形図 能取岬(平成18年)より

 

北西(A)より

 

北(B)より

 

Cより東を向くと、能取湖、オホーツク海、能取岬の海岸が見える

 

Cより南を向くと、牧草地と能取湖の湖面

 

(D)より、丸い形となる

 

南西(E)より

更に遠目から

 

 

翌日は能取岬から、つまり東側からモイワ山を眺めてみました。

【図4】国土地理院2.5万分の1地形図 能取岬(平成18年)より

 

能取岬(F)に来るのは学生時代以来40年ぶり

 

能取湖口東側の砂丘(G)以前はこの先に美岬集落があった

砂丘越しにオホーツク海(右)、能取湖(左)

 

能取湖東北岸の湿地越に能取漁港を見る

 

H地点より湿地超しに見るモイワ山

 

H地点より干潟越し見るモイワ山