いちごの培地の最適PH値管理について知りたく、ウェブで下記サイトが見つけました。

著者は杵島泰三氏、という米澤農業研究所で土壌分析や実地指導をされている方です。
自分の理解の為にポイントを要約してみました。

■いちごのPHと生育状況事例

いちご農家10圃場の土壌分析結果をPHの低い順にPH6.18〜7.07まで並べ、同時に実地確認した
生育状況の写真と対比し考察。

この方の『所見』は写真での生育具合から①:PH6.18の圃場がベスト
⑨:PH7.02 ⑩:PH 7.07は論外に悪い・・です。


■PH と肥料要素の溶解利用度
図で太い部分がよく溶ける領域

この表を良く見ると、多量要素だけなら、PHは7.0~7.5がベストだが、そのPH域での栽培は困難、絶対無理。 その要因は、微量要素が植物代謝に絡んでくるから。 微量要素はモリブデンを除いて、PHが5.5~6.5の間がベストで、7.0~7.5では段々効かなくなり微量要素の欠乏症で病気になる。よって栽培はPHが5.5~6.5で行う。

確かに、上記⑨⑩の論外と評価された圃場はPH7越えになっていて確かに、微量要素である可給態鉄の分析値は0になっている。


■PHの調整はなぜ植物にとって必要なのか?

http://www12.plala.or.jp/green_up/h078.html

・PHが高い場合、特に6.8位から病気モードに入り、7.0を超えると病気となる。 正確には“アルカリ障害から2次的に病気を来たした現象”である。『 病気の発生するpHつまり6.8~7.0』 と 『微量要素の効果が薄れてくる範囲のPH 』 を比べてみると、その範囲がピタリと合致する。その理由はこの項の中で詳述してあります。

・PHの高い用水は、微量要素の溶解度に問題があり、PH調整をして使う。水路の原水PHがPH7.2の圃場から萎黄病のいちご苗を持ち帰り、PH調整した液肥で灌水し1か月養生した結果、見事に回復した事例を示し原水のPH調整の重要性を強調。

→原水のPH調整は、原水7.2以上では灌水は5.5

→7.2以下では6.0にして行う。

→PHは絶対に5.5以下にしない。(5以下になると石灰欠乏障害となる)


■ まとめ

・いちごの培地の適正PHは5.5〜6.5

・6.8を超えると微量要素の吸収が減り病気になる

・原水PHが高い場合PH調整する


家庭菜園の指南書などでは、野菜一般に酸性土壌はだめ、苦土石灰で中和を!(PHを上げる)と言う記述が多いですが、PHが高い場合の問題についての記載は殆どありません。

このウェブサイトでは、PH高い場合の問題事例と理屈を強調し、さらに盲点だった原水のPHにもケアが必要だと指摘しています。

作物により好適PHが異なり、いちごの場合は弱酸性を好むので、家庭菜園で他の野菜の感覚で苦土石灰バンバン使うと高PH側の障害が出やすいんでしょうね! この辺りが、家庭菜園で、いちごの栽培が上手くいかない原因で有り、プロのいちご農家と家庭菜園の差の主要因になっているのかもしれませんね!


■ 原水(水道水)PHの確認

と言う事で、住んでいる所の水道局が毎週、PH含む水質検査の結果を公表しているので確認しました。


案の定、基準はPH5.8〜8.6に対し、直近データは7.1!! 過去に遡ると7.5の時もありました。

課題大有りですね! これについての課題の確認と対処を済ませたので、次回ブログで説明いたします。


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