あまりに感動したからちょっと聞いてほしいんだ。
必要があって『桃太郎』を勉強しているんだけれど、今は「…大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこ、と流れてきて…」って伝承されてるけど1700年ごろは、桃を食べたお爺さんお婆さんが若返って子作りをして、桃太郎が生まれてたんだって。
それでね、ここからは予想なんだけれど、当時の大人達はこのところで子供に「なんで若返ると子供ができるの?」って聞かれてたと思うんだよね。
でも答えづらいから、川上のほうから桃が流れてきて、と変わったんだろうけど、元々の“若返って子作り”の要素もどうにか残したい先人達が、水面を浮いたり沈んだりする動きのオノマトペの“どんぶらこ、どんぶらこ”っていう粋でウィットな言葉を選んで、子供にはわからない、大人だけにわかる要素でムフフって笑ってたんだと思うんだ。だって本当だったら「大きな桃が流れてきて」だけでいいはずなんだから。粋な下ネタなんだって思ったら、なんだか感動したんだおれは。