1  非電離放射線の健康影響について誤っているのはどれか。
a紫外線は電気性眼炎を生じる。
b赤外線は緑内障を生じる
cマイクロ波は深部発熱を生じる。
dレーザーは網膜火傷を生じる。


正解:b
赤外線は白内障を生じる。
参考:放射線防護の三原則
→距離+遮蔽+時間


2  放射線業務従事者への健康診断として誤っているものはどれか。
a 根拠法は電離放射線障害防止規則である。
b 厚生労働省の所管である。
c 血液検査では白血球数の検査を行う。
d 診察では白内障、皮膚の異常を確認する
e 健康診断の記録は3年間保存しなければならない。


正解:e
健康診断の記録は30年間保存しなければならない。
参考:奇形は確定的影響(→113 F39)⇔染色体異常は確率的影響


3  環境基本法に定められている公害に当てはまらないのはどれか。
a 大気汚染
b 悪臭
c 地盤沈下
d 騒音
e 酸性雨


正解:e
公衆衛生に関する基本事項。七大公害を覚えておく必要がある。最も多いのは騒音。


4  大気汚染物質について正しいのはどれか。
a PM2.5は2.5μg以下の物質である。
b オゾンの基準値達成率は100%である。
c 光化学スモッグは冬の晴れた日に発生しやすい。
d peroxyacetyl nitrate(PAN)は光化学スモッグの二次物質である。
e ダイオキシン類の基準値達成率は0.1%である


正解:d
PM2.5の単位は問われやすい(μm)。bとeは基準達成率が逆。光化学スモッグは夏の晴れた日の正午に起こりやすい。


5  通院者率と受療率について誤っているものはどれか。
a 通院者とは、病気やけがで病院や診療所、あんま・はり・きゅう・柔道整復師に通っている者をいい、人口千人に対する通院者数の割合を「通院者率」という。
b ある特定の日に疾病治療のために、すべての医療施設に入院あるいは通院、又は往診を受けた患者数と人口10万人との比率を「受療率」という。
c 通院者率は国民生活基礎調査で調べることができる。
d 受療率は患者調査で調べることができる。
e 通院者率、受療率ともに国民生活基礎調査、患者調査によって5年毎に調査される。


正解:e
国民生活基礎調査、患者調査(→113F2)はともに3年に一回行われる。両者の違いについてまとめておく。
特に通院者数と受療率は混同しやすいのでよく覚えておく。患者調査では平均在院日数も計算することができる。
a,bの文言は厚生労働省のHPから引用。


6 妊産婦労働者が事業主に対し請求できる措置と根拠法に関し、誤っているものはどれか。
a 時差出勤        ―男女雇用機会均等法
b 休憩時間の延長    ―労働基準法
c 時間外労働の制限    ―労働基準法
d 育児時間の確保    ―労働基準法
e 育児休業        ―育児・介護休業法


正解:b
女性労働者の関連法規についての難問。休憩時間の延長は男女雇用機会均等法(△労働基準法)を根拠に求めることができる。


7 以下の各「センター」の根拠法について正しいのはどれか。
a 医療安全支援センター        ―医師法
b 医療事故調査支援センター    ―刑事訴訟法
c 母子健康包括支援センター    ―母子保健法
d 市町村保健センター        ―地域保健法
e 老人介護支援センター        ―介護保険法
f 地域包括支援センター        ―地域保健法

正解:c
aの医療安全支援センター及びbの医療事故調査支援センターは医療法にて規定される。母子保健包括支援センターは母子保健法にて規定される。老人介護支援センターは老人福祉法にて規定される。地域包括支援センターは介護保険法にて規定される。


8  以下の各制度と根拠法について正しいのはどれか。
a 地域医療構想            ―介護保険法
b 地域包括ケアシステム        ―医療介護確保促進法
c 造血幹細胞移植            ―臓器移植法
d 死産届            ―戸籍法
e 出生届            ―戸籍法


正解:e
abをひっくり返すと正文となる。造血幹細胞移植は「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」が、死産届は「死産届書、死産証書及び死胎検案書に関する省令」という長い名前の法律が対応している。届け出は父(×父母)なので注意。


9  以下の各制度と根拠法について正しいのはどれか。
a がん検診            ―健康増進法
b 一般健康診断            ―健康増進法
c 妊婦健康診査            ―健康増進法
d 特定健康診査            ―健康増進法
e 未成年者の飲酒禁止        ―健康増進法


正解:a
すべて健康増進法が対応しそうであるが、一般健康診断は「労働安全衛生法」、「妊婦健康診査は母子保健法」、特定健康診査は「高齢者医療確保法」、未成年者の飲酒禁止は「未成年者飲酒禁止法」にて規定される。


10 以下の各制度と根拠法について正しいのはどれか。(ただし、選択肢の「心神喪失者」は、心神喪失の状態で重大な他害を行い、地方裁判所にて医療機関への入院が決定した者であるとする。)
a 心神喪失者の退院        ―精神保健福祉法
b 心神喪失者の退院        ―刑事訴訟法
c 育児休業給付金            ―育児介護休業法
d 予防接種事故の救済        ―感染症法
e 保険薬局            ―医療保険法


正解:e
心神喪失者の退院については医療観察法の規定に基づいて審査される。育児休業給付「金」については雇用保険にて規定される。予防接種事故は予防接種法にて規定される。保険薬局は医薬品医療機器等法ではなく医療保険法で規定。


11  民法で定められている医師の義務を2つ選べ。
a 応召義務
b 守秘義務
c 善管注意義務
d 顛末報告義務
e 処方箋交付義務


正解:cd
民法では医師の業務は準委任契約と解され、善管注意義務と顛末報告義務の2つが課せられるとされる。


12  エボラ出血熱とデング熱に関し、誤っているものを2つ選べ。
a エボラ出血熱は1類感染症である。
b デング熱は4類感染症である。
c エボラ出血熱はネッタイシマカが媒介する。
d デング熱はヒトスジシマカが媒介する。
e 2014年、日本国内でエボラ出血熱が流行した。
f デング熱は再興感染症である。


正解:ce
エボラ出血熱とデング熱は混同しやすいので作問した。エボラ出血熱は意外にも蚊が媒介するのではなく、コウモリなどが媒介動物である。2014年に日本で流行したのはデング熱である。その際に徹底した蚊の駆除が行われたが、エボラ出血熱に対しては無効である。


13  ジカ感染症について誤っているのはどれか。
a ヒトスジシマカが媒介する。
b ギランバレー症候群を合併する。
c 妊婦が感染すると胎児水頭症の原因になる。
d 2016年にブラジルで流行し、問題になった。
e 4類感染症である。


正解:c
ジカ感染症は2014年にブラジルで流行し、その際は胎児小頭症の原因になることが問題視された。


14  難病法における指定難病で一定の基準が定まっているのはどれか。
2つ選べ。
a 病態
b 患者数
c 診断方法
d 治療方法


正解:bc
難病法では病態が不明で治療方法が確立されていないが、患者数が一定以下で診断基準が備わっているものを指定難病と呼び、331疾患が登録されている。最多はUC。


15  業務独占資格はどれか。
a 保健師
b 社会福祉士
c 精神保健福祉士
d 管理栄養士
e 診療放射線技師


正解:e
以下の法則をおぼえる。1、業務独占資格は名称独占資格でもある。2、「○○師」は業務独占、「○○士」は名称独占。
但し、保健師は例外で業務独占ではない。