先週のMRIの結果が整形外科に届いている。
きっと軽傷に違いない。またすぐに走れる。今日はそれを確認するのだ。
三度目の診察を待ちきれず早めに起床し、受付開始時刻より少し早く整形外科に到着。
松葉杖には慣れつつあったが、家の中では松葉杖なしに歩くこともできている。今日の診察後、松葉杖は返却か、あるいは1本に減らしてもらうことも思い浮かべていた。
待つこと10分。三度目の対面となる医者に膝の様子を聞かれ、痛みも腫れも水も引いて徐々に動かしやすくなり、回復している感覚があることを伝える。
医者と自分の前にはMRIで撮影した画像が表示されている。まずは見方を説明してくれる。膝の皿の位置や、向き、骨や靱帯の映り方など。
その後、膝の外側を指し示し、白い骨の一部に黒い影が見える。
「これは骨挫傷で、圧迫骨折の一歩手前の状態でした」とのこと。
この1年ほど前に同僚が足首を骨挫傷し、地面に足を着けない状態から1、2か月ほどで回復したことを思い出す。
決して軽傷ではないが、膝外側を押されたときに強い痛みを感じたこととも符合し、原因がわかったこと、なにより自分の中で数か月で回復する見込みが立った安心感が強い。
安堵する中、膝の内部を側面から撮影した画像に切り替わる。
医者の指し示す膝の皿の内側には白く濁ったような箇所がある。
「前十字靭帯が断裂しています。」
言葉が出てこない。
左膝と見た目も変わらず、松葉杖からの卒業が考えられるほどの状態なのに、本当に断裂しているのか。
専門家から発せられた言葉と身体感覚が全く一致せず、思考停止に陥る。
焦点が合わず、ぼんやりと前方を見ているだけの状態。
骨挫傷が回復してから手術を検討すること。
松葉杖は当面使うこと。
この2点はわかった。松葉杖の卒業が叶わなかったことには何も感じない。
手術を行うか否かは、何に基づいて、どう検討するのか。
手術しない場合、どんなリスクがあるのか。
手術すればまたサッカーはできるのか。手術しなければサッカーはできないのか。
聞くべきことはたくさんあったが、思いついたのは家に帰ってからだった。
診察室を出ると、理学療法士と初回の理学療法の日程調整を行った。金曜11時に通院可能かを聞かれて、「はい、大丈夫です」と答える。
受付にて支払いを済ませた後、病院を後にする。
この日は開催中のサッカーW杯屈指の好カードであるスペインvsポルトガルが早朝4時から行われていた。
午前休を取っていたので、病院から帰ったら13時の始業までに観戦しようと早く整形外科に向かう動機の一つになっていた。
家に着いて、何も映っていないテレビの前でしばらく過ごした後、金曜11時には絶対に外せない重要な仕事があったことを思い出した。