先日、久しぶりに、病院にいる母の夢を見た。
私は風邪をひいて前日はお見舞いに行けなくて、母がどうしてるか気になって、病院の廊下を急ぎ足で病室へ向かっている。
病室には、久しぶりに髪を洗ってもらっている母と、お見舞いに来ている兄と姉。
母は髪を洗ってもらいながら、とっても気持ちよさそうに目をつむっている。
母に、『昨日はこれなくてごめんね。』と言うと、母は目を閉じたまま、『いいよいいよ~。昨日からすごく調子がいいんよ。このまま良くなるみたい♪』と嬉しそう。
母の声はとても明るく、私も、そっか~良くなってるんだ!!と、嬉しくなる。
と、それまで目を閉じていた母が、フッと目を開けた。
嬉しそうに、私を見たその目は、白目が黄色く、黄疸が出ていた。
夢の中の私は、それで全てを悟る。
あぁ、良くなってはないんだ。
“そのとき”は、すぐそこまで来てるんだ……。
目が覚めて、明け方で、声を殺して泣いた。
いつも、闘病記を書こうと、あの頃つけていたメモ、家族に毎日送っていたメールを読み返す。
その頃の私は、本当に心から、母が良くなる、と信じている。
医師に『この状態で生きている人を他に見たことがない』と言われていても、それでも信じていた。
あきらめてなんかいなかった。
夢の中の私は、あの頃の私。
でも、母がいないという現実もあるから、夢の中の私は母が死ぬことを悟る。
私は私に、母が死んだことを突きつけられる。
あの頃の私と向き合うことがつらくて、闘病記を書けずにいる。
それでも、闘病中の母は私の誇り。
誰よりも輝いていた母を、知ってほしい。
少しずつでも。
少しでもたくさんの母を。