続き
月曜日の朝 お弁当が来るから、と
鍵を開けていたのか、、、、
家の周りの植物に水やりしようと
鍵を開けていたのか、、、、
外出から帰った途端なのか
これから出かけようとしていたのか、、、
金曜日の午前中は
お弁当を受け取っているらしいから、
その後からって事になる。
金曜日の午後?
土曜日?日曜日?
何もかもが謎
発見者の彼女にも
あまり深くは聞かなかったから
発見時の状況もわからない。
全てが謎のままだった。
水やりしてたのを見たよ?
って言うおばあちゃんがいたから、
『いつ?今朝?昨日?』と聞いたら、
今朝かなー?
なんて言ってたりしたと思ったら、
昨日か、一昨日と言ったりで、信憑性はない。
まぁ、検死の結果で
死因も推定時刻もそれなりにハッキリするだろう。
そこは親族でも親しい間柄でもないから、
私が知った所でどうなるわけでもなく、、、
とりあえずは、
いつもは鍵がかかっている玄関に
鍵がかかってないから見つけてもらえた。
生存確認が出来るような宅配のお弁当を頼んでいた。
だから、見つけて貰えたって事は事実。
高齢者の一人暮らし
何らかの形で生存確認は必要だと
痛感した。
そして、万が一の時の連絡先は
玄関に貼っておく。
合鍵を誰かに渡しておく。
これは、絶対に必要だなって思った。
その後、
翌日になって、警察の人から連絡があり、
話をした時
「親族の方とは連絡つきましたか?」
と聞くと、
『いや、それが、、、、
一応弟さんになるのかな?
一名とは連絡がついたんですが、
何かね、、、色々とご事情がある感じで、、
何だかね、、、ちょっと、、、』
「あー、やっぱり?何か親族の方とは
良い関係ではないみたいなのを聞いた事はあります」
『他にご親族をご存知ですか?』
「その方と同一かどうかはわからないけど、、
昨日、警察の方にはお知らせしたんですが、
◯◯町、Aさんで、電話番号は◯◯です。
Sさんとその方の詳しい関係性はわからないんですが、
親戚だと聞いてます。
今、ご存命かどうかは、わからないですが、、」
と伝えた。
その方と私がどう言う関係になるのか
と聞かれたので、
「亡くなった姑の
遠い親戚になるって聞いた事はありますが、
これも、全く付き合いもなく、
どういう関係になるのか?
ハッキリ知らないんですよ。
まぁほとんど他人ですね。」
すると、警察の人、
『あのー、もしも、ですね?
連絡がどなたともつかなくて、
引き取り手とか、居なかったら、、、、
遠い遠いご親戚って事でも、
引き取っていただくってのは、、、可能ですか?』
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?
何ですってーーーー!!!
【無理です】
と大きな声で即拒否!
『そうですか、、、ですよ、、、ね。
じゃあ、死亡証明の証人になって頂けませんか?
一切ご迷惑はおかけしません!
証明者が居ないと死亡届けが出せなくて、、』
「それは、、大家さんにお願いして下さい」
と言うと、
『もちろん、ご親族を探してダメなら
大家さんにもお願いしますが、
それでもどうしてもどなたも無理だった時には、
電話させて貰っても、、、いいですか?』
まぁ、我が家より
姑の実家の方がまだ付き合いあるし、
そこからもっと濃い親戚に繋がって行くだろうから、
我が家に連絡があったら、
そっちを調べて、お願いすればいいか、と
とりあえずは承諾しておいた。
警察の人も大変だな、、、
親族に連絡がつかないと、困り果てるよね。
たとえ親族でも引き取りを
拒否する人が多いらしいし。
その日の夕方、
大家のおじさん親子が、
親族Aさんと連絡がとれて、解決しそうだと言ってきた。
おじさん、ずっと電話していたんだけど繋がらず、
夕方になってやっとあちらから電話があったらしい。
Aさんは、入居時の連帯保証人になっていたから、
亡くなったSさんの荷物を引き取って貰わないといけない。
との旨を伝えてると、
【付き合いは絶っているのでうちはもう関係ない】
との返事。
【いや、そんなわけにはいかないでしょ。
付き合いは知らないけど、
連帯保証人になってんだから、、、、】
少しの押し問答の後、
どうしようもない事はわかったのか
落ち着いたら片付け業者を連れて伺います。
と言われたらしい。
これが、、、、
もしも、それなりの財産のある人ならば、
親族さんの態度も
違っていたのかもしれないなぁ、、、
なんて、一人で人間の醜さを考えていた。
そんな話を聞きながら、
玄関先の牛乳受けに目が止まった。
あ、、、これ。
頼んでるのかな?
止めてあげなきゃ、、、、いけないんじゃ?
と中を確認したら、
6パックか8パック入りの
宅配ドリンクが保冷剤と共に入っていた。
これもいつ配達されたものか定かでない。
ボックスに書かれている電話番号を控えて
大家息子君が電話をしておく事に。
そうだ!ゴミステーションの当番だったはず。
当番ノート次に回してるかな?
と次の人に確認したら、来ていないと。
って事は、家の中。
新しく作るしかないかな?
って思っていたら、大家の息子さんが、
とりあえず、玄関開けてみようと開けてみた。
息子さんも私も、ちょっと恐々と、、、
扉を開けると
ダンボールがあり、その横に立てかけていたので
それだけを取って貰った。
玄関から中の様子がチラッと見えたけど、
雑然とした感じ。
突然死ってこうなんだ、、って思った。
悪臭とかは感じなかった。
受け取って中を確認すると、
Sさんのサインはないままだった。
多分、性格上、
金曜日のお昼頃、掃除をしたら
すぐにサインして次に回すだろう。
でもそのサインは未記入。
金曜日には亡くなってたのかもしれないね?
と言いながら、家の外をぐるりと回ってみた。
放置していてはいけない物とか
あるかもしれないとも思って、、、
そうしたら、玄関とは反対側の
掃き出しの窓が30センチくらい開いている。
検視官の人達、そのままにして引き上げてたの?
ちょっと無責任じゃないー?💦
とは思ったけど、
鍵を締めに室内に入るのは
さすがに、、、大家の息子さんも私も
「無理よね?」って感じ。
外からそっと閉めておいた。
翌日、大家の息子さんと一緒に
Aさんと息子さんが、ご挨拶にこられた。
私は30年くらい前に姑が入院した時にお会いしている。
面影はほんの少し残っている感じ。
30年前は、今の私より若かったはず。
今は小さな小さなおばあちゃんになっていた。
何だかそれも、寂しい。
警察から、
検死結果は聞いているだろうと思って
「亡くなられた原因は何だったんですか?」
と聞くと、
『どうなんでしょう、警察の人は特に何も言ってなかったから、わからないです。』
「いつ、亡くなってたかはわかったんですか?」
『2.3日過ぎてる、って言われてたけど、、ハッキリとは、、』
関係性は良くないと聞いてはいたけど、、、
こんなものなのかな?
何だかやっぱり、寂しいような虚しいような、
そんな気持ちになった。
仲良しの友人は居なかったんだろうか、
気の許せる人は居なかったんだろうか、
誰か、その死を悲しんでくれるような人は
居なかったんだろうか?
誰か1人でも、涙を流す人はいないんだろうか?
そう言う私も、涙を流すような感情はない。
どんな感情の涙であれ、
あのお弁当業者の女の子の涙が、
Sさんにとっての唯一の涙だったのだろうか。
そう思うと、虚しくて悲しくて寂しい
終わりだった。