次女が来て、わたしのギターを持って
弾き始めた。５年前にやめているので
ドレミも弾けなくなったらしい。
そのうち、好きな曲について話していると、
寝る前にエルトン・ジョンの「Ｙour Ｓong」
を聴いているということだった。私も好きだ。
でも、私が１番好きな曲はモーツァルトの
ピアノ協奏曲 第２１番 第２楽章 だ。
ある冬の日
いつものように、バスを降りてアーケードの
商店街を歩いていた。
しばらく歩いていると、上のほうから心地よい
音楽が流れてきた。 聴いたことがあるのに
どうしても思い出せない。そこですれ違う人に
聞く勇気がなかった。あきらめきれずに近くの
cdショップに飛び込んで、流れている曲名を
聞いた。
「あれは、ここの商店街の事務所で他の宣伝
と一緒に放送している」 とのことだった。
その場所をきて、事務所に入った。
おじさんがぽつんとひとりでいた。
「０時００分ころに流れていた曲はなんですか？」
「モーツァルトのピアノ協奏曲ですよ・・・」
それ以来、この曲を超えるものはない。
むかし聴いたことがあると思ったのは、
映画「みじかくも美しく燃え」を観ていたから
かもしれない。
アーケード街を歩いていたから出会って、
１番好きになった曲を、
リチャード・クレイダーマンが弾いている。
