新聞短歌欄に入選している作品で
特にいいなと思った時は切り抜いて
おいて、ときどきながめています。
これは、そのなかのひとつ
横浜市 折津 侑さんの作品です
げんげ畑なの花畑二歳児と
車窓を去りゆくものに手を振る
列車からお花畑が見えてきました。
おじいさんは2歳の孫に見せたくて、
窓の向こうを指さしました。
春のなかを走っています。
お花畑のきれいな光景も一瞬、
おじいさんは「さあ バイバイしようね」
と促します。
列車は未来に向かって走り、
孫という未来をいだいて乗っている。
車窓には去りゆくもの、去りゆく過去、
過去になりゆく自分・・・。
さりげなく 自分に手を振っている。
そういう光景に見えてきて
胸をしめつけられます。