ちいさいものたちへ    またね 猫 金魚 クロネコ4 花

    

     ほっこりとさみしいわたしを見つめてる

       「猫ゆずります」の猫の写真        



     光る川オオイヌフグリ一面に

       群れ咲くところハムスタ―の墓



     にんげんが泣かずに夜をねむるため

       一晩中見張ってるんだ猫は



     手招きをしてもなつかぬ猫の毛が

       天国のような軽さでただよう



     ひっそりと路地を横切り夏の猫

       通りすがりの人のように来る



     おやすみと猫のあたまをなでやれば

       ふた粒の星のような眼をする



     真っ先に弱りし金魚の名はなくて

       「きんぎょ」と呼んで葬りてやる