大谷翔平くんが、右肘靭帯損傷。
言わずもがなベースボールを見ている人たちが、そして必ずしもそうではない人たちにも、衝撃を受けて悲しみが広がっている。
私も悲しいです。
シンパシーと失意、憤りを表明する他に、彼の振る舞いに感銘を受けた人たちも次々に記事を書いています。
南カリフォルニアの台風被害でダブルヘッダーになったエンゼルスとレッズのカード。
第1試合での途中降板後に負傷の診断結果を受けながら、次の試合で先発出場したことに反応している人たちがたくさんいる。
レッズのスーパールーキーとの楽しそうなやり取り、内野手たちに囲まれるハッピーな場面も話題になっていました。
その試合前には最悪の宣告を受けているのに、いつもと変わらず笑顔でいる野球人。
翔平愛あふれる記事を目にしながら、なぜかハドソンリバーに旅客機を水着させたチェスリー・サレンバーガー機長、サリーのことが思い浮かびました。
イーストウッドが監督した「ハドソン川の奇跡」のモデルになった人で、映画の原題は「Sully」。彼の愛称です。
私はタイムリーでNYに住んでいて、その驚きのニュースをあちらこちらで何度も目にしました。
911を経験している多くのニューヨーカーたちがあの時と重ね合わせたんだろう。
ハドソンリバーに着水した旅客機の周りに続々と集まる船とヘリコプターの映像は感動的だった。
サリーの瞬時の判断と、それに応えた救助の連携の速さもあって、一人も死者が出なかったことに誰もが熱い気持ちになりました。
映画を観たのは日本に戻ってからで、あの後サリーがNTSB(国家運輸安全委員会)の公聴会に召喚され、断罪されようという流れがあったのは全く知らないままで。
ほんとうに驚きました。ショックだったし。
いつもより抑えた演技ではあったけど、トム・ハンクスがそれなりに感情あふれる人物として演じていました。
公開時にレビューをいくつか読んだ中のひとつを、覚えています。
「サレンバーガーは面白みのない人物のため、ちょっとキャラクターに色をつけてあげないといけない。トム・ハンクスはそれに成功している。」といった感じのクリティーク。
vanillaというスラングを使っていたので余計、覚えているんだな。
原文を検索してみたら、まとめサイトに抜粋されていたのを見つけたのでこちらに貼っておきます。
サリーの人物像に関するコメントのみ。
Sullenberger is a pretty vanilla, one-dimensional character. A cipher with wings pinned to his chest. There’s nothing inherently cinematic about him.
実在はそんな人物のようだけど、判断力と冷静さは超人的。異常に感じるほどに。
飛行機がハドソンリバーに水着するのも信じられない上に、サリーは胸まで浸水した機内に誰も残っていないかをしっかり確認してから、旅客機を後にしています。
とそんなことを沖縄で飛行機好きの友人と話していたら、彼曰く、超絶優秀なパイロット、もしくは軍人ってそういう人がいるのだ、と。
沖縄の我が家で付属同居人をしていた友人は、アメリカでヘリコプターの免許を習得しようとしていたこともある、まぁ、いろんなジャンルのオタクです。
他人にとっては驚愕的行動でも、そういった人自身にとっては文字通り、ただ目の前に起こったことへの対処をしているだけ。
海中40メートルまで潜る友人はそのことも例に出しながら、危機であろうがなかろうが、今起こっていることへの認識の話をしてくれました。
なるほどね、と感じたあの時の話を、翔平くんのこの一件で思い出したのでした。
あの人と同じなんだね。
起こってしまったことは仕方がない。と、それを淡々と受けとめる覚悟ある人たち。
翔平くんのいつもの態度に、周りに心配をかけない優しさ、人間力の高さ、といった賛辞が並んでいます。
水を差すようですが言わせてもらいますと。。。
彼は、きっと、そういう人なんです。
そう、翔平くんから、サリーを思い出した。
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