三色に彩られた三組の人の手。

 

最初に目に入った時の印象は、物語性のある詩的でアーティーな写真。何かスピリチュアルな儀式なのか、演劇やダンスなどのパフォーマンスのスチールだろうか。

 

そうではなくて、インドで奴隷のように働かされる、絹を有毒な染料で染める仕事を強制される親子の腕でした。右の黒い手は父親、中央の赤と左の青は息子たちのもの。

 

 

 

 

現代奴隷の現状を撮り、告発を続けるリサ・クリスティン氏の写真です。

 

世界のあちこちで子供がさらわれ、労働を強いられている。報酬もなく死と隣り合わせの奴隷生活を、自らの状況が搾取されているとも知らずに享受させるには、子供の頃からその環境下に置くのが効率的なわけですね。

現代奴隷を強いられているのは子供だけではありませんが、奴隷にされている人たちの中には、それを知らない者も多いと彼女は言っています。

 

TEDトークで彼女が語る現代奴隷の様々な状況を目の当たりにすると、その多くが贅沢品、人の心を夢中にさせる魔力を持ったものの数々です。石、ゴールド、テキスタイル。実は私が大好きなカカオも、搾取が問題にされるものの一つです。

 

搾取される人々を撮った別のフォトグラファー、セバスチャン・サルガド氏が捉えたのは、ヨーロッパに輸出する砂糖を作るためのキューバのさとうきび畑。なけなしの報酬でケインを刈り取る人々でした。

 

欲しい人、需要、消費が止まらないから、供給が続く、終わらない連鎖。それは時に、恐怖で支配された奴隷人生を強いられた誰かの犠牲の上に成り立っている悲しい現実。

 

NYに住んでいた時は、消費において"フェアトレード"表示のものを選択できました。食品や衣類など広い範囲に渡っています。日本でも最近見かけるようになったのは嬉しいです。

チョイスが、あるということ。

 

宝石や石には興味がありませんが、私はチョコレートが好きだし、珈琲やインディゴのテキスタイルにも惹かれます。

リサ・クリスティン氏のレクチャーを聴いて、自分が買うものにまたこころ新たに注意を向けていこうと思っています。"フェアトレード"かどうかということのみならず、それがほんとうに欲しいものなのかも。

 

ご興味あれば、日本語訳付のリサ・クリスティン氏のTEDトーク、こちらからご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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