冬休みに入った昨日、再び大きな鍋でギーを大量に作っていると、見た目に泡の変化が解かりやすいと感じました。そこで参考になるかもと作業中の写真を撮ったので、手順に写真とメモを添えてギー作りのプロセスをアップします。
芦沢さゆり先生のアーユルヴェーダWSで実践を学んだ受講生さん達の中からも、失敗してしまった、焦がしたようだ、というお声を時々いただきます。日常的に作っていると次第にストレスがなくなりますが、最初は緊張したり、これでいいのか迷ったりしますよね。
慣れてくると、瞑想的な時間を過ごしながら、楽しみながら作れるようになります。幸せな香りが満ちる中での作業の、ご参考になれば嬉しいです。
1)ギーを入れる容器の熱湯消毒
写真はWSの時の準備を写したもので、小さめの揃った容器を消毒していますが、耐熱のもので蓋がしっかり締まるものなら何でもよいです。大きめのジャムの瓶など、間口が広いものが使いやすい。
沸騰してから15分以上グツグツ煮込む。私は30分くらい放置しています。取り出す時には火傷にご注意を。トングなどを使って、瓶の中に残っているお湯などが体にかからないようにしてください。
私はザルに入れて煮込んでそのまま引き上げ、いったん裏返した鍋の蓋の上に置きます。
*その後容器と蓋はしっかり乾かす。
2)無塩バターを常温に戻しておき、鍋で焦がさないように溶かす
中火でバターを溶かしていきます。鍋によって熱伝達が違いますから、ご自身の鍋によって火の調整をしてください。
5キロの塊から切り分けたバター。これで970グラムくらい、若干大きめのジャム瓶の大きさで4つできました。
出来上がりは85~90%くらいの量になるので、あまり少ないよりも通常のバター(200グラム)2個、もしくは業務用の500~600グラムが私は作りやすい。
バターが全部溶けたら、そのまま水分を飛ばしていきます。
3)白い細かい泡が一面を覆う
バターが完全に溶けた液体から、しばらくして白い細かい泡が表面に浮いてきます。写真はグラスフェッド・バターなのでかなり黄色っぽいですが、四つ葉や高千穂など、ノングラスフェッドバターはもっと白い泡ができます。
細かい泡は徐々に鍋いっぱいに広がっていく。
4)細かい泡の面から大きめの泡が生まれて大きくなる
その後一面を覆う細かい泡の表面から、少しづつ透明な大きめの泡が生まれてきます。ここからは鍋の中の音に耳を澄ませて。
バチ、パチッと音がしだして、透明な泡が大きくなり、増えていきます。ここからは弱火に。
5)透明な泡が弾けていく
透明な泡は大きくなり、互いに繋がって弾けます。この時鍋からはチュルチュルチュル...といった連続的な音が聞こえている。
むやみに掻き回さず(ギーが濁ります!)、煩悩の泡が生まれては消える過程を見守りましょう(笑)。
6)再び細かい泡へと変わり、音が静かになる
透明な泡が弾けていく過程が落ち着くと、再び白く細かい泡に変わっていきます。音も変則的になり、やがて静かになる。
表面を覆っている泡をそっとよせると、透きとおった金色の液体ができていて、鍋底に茶色いカス、おこげのようなもの(バターのタンパク質)が沈殿しているのも見えます。
ギーの良い香りがしているのを味わい、火を止めます。
7)熱いうちに耐熱の容器に漉す
不綿布クッキングペーパーで漉します。私は使用したことがありませんが、紙のキッチンペーパーは目が詰まり、ギーの沈殿物を漉すことができないようです。
ちなみにこの沈殿物のたんぱく質はそのまま食べても美味しいですが、消化は重いようです。
漉すのは珈琲ドリッパーを使っています。最近はもうギー専用。
熱いうちに漉す理由の一つは、それ以上の熱のとおりを抑えるため。粗熱が冷めるまで高温の鍋に置いておくと焦げることもあります。
ギーを入れた容器は熱いので、取り扱いにご注意を。触れる熱さに下がったら蓋をします。
あ~、なんという香り。
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