クルム伊達公子さんのご活躍をワクワクしながら見ています。絶頂期のウィンブルドンの試合を見ながら、彼女のような脚になりたいと思ったものでした。その願いにはヨーガで近づきつつあるのですが、あの太ももにはなれそうにありません。引退前よりも上半身の筋肉が付き、バランスの取れたとてもきれいな身体ですね。凛としてしなやかで、彼女の強い意志と柔軟さも伝わってきます。こころとからだは繋がっていることを物語るようなお姿です。


OkiShanti 沖縄、ヨーガ。-antirrhinum

今スタジオのお花は白いキンギョソウと紫のストックです。


彼女を見ていると、ヨーガの重要文献「バガヴァット・ギータ」の主人公、アルジュナが浮かんできます。死を恐れない戦士アルジュナは、武術の試験時に師匠に何が見えるかと問われます。試験を受ける全員が同じ質問をされるのですが、彼だけが「鳥の目のみ、他には何も見えない」と答え、ただひとりその的に描かれた鳥の目を射抜きます。そのような深く力強い集中状態を作れるアルジュナですが、因縁の末の骨肉の戦いの現場に立ち、疑問を持ちます。

「バガヴァット・ギータ」はこの悩み苦しむ戦士アルジュナに、親友のクリシュナ神が延々「戦え」、と諭してゆく物語で、殺生を否定するヨーガ哲学の立場からは矛盾があるように見えますが、ヨーガの聖典です。ここでは3つのヨーガが説かれます。クリシュナはアルジュナのヨーガはその中のひとつ、カルマ(行い)のヨーガであり、戦士である彼がその武術をまっとうし、自我を征服せよと教えます。アルジュナは王族であり、僧や出家者でもなく、戦闘を生業とするクシャトリヤであることを忘れてはいけない。自分のダルマを行うのだ、と諭していきます。

クルム伊達さんは一度引退し、18年ぶりにシングルス3回戦進出などの目覚しい活躍。おそらく彼女のダルマであるテニス人生をまっとうされてゆく姿に、戦士アルジュナが見えてきます。






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