なにがしかの検索でここにたどり着いてしまった不運なあなた、
こちらは妄想を吐き出している場所ゆえ
ここにお探しの情報はないと思われます。バックプリーズ^^

*追記*

いりる様の作品『想いを歌声に乗せて』と本作のタイトルが
類似してしまっていることに制作途中で気づきました。
その件につきまして、いりる様にご連絡のうえ、快くご了承いただきました。
いりる様、ありがとうございます。

いりる様の『想いを歌声に乗せて』は雪花大活躍のお話です。
まだご覧になっていないお嬢様方、おすすめでございます

*追記おわり*



時間の流れは蓮さんからの6を受けて1の続き
ラブミー部室へキョーコさんを訪ねる蓮さんの巻でございます。
ややこしくて申し訳ございません。

描写の足りないところは
皆様の妄想力で補っていただけるとうれしいです。


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「おめでとう!最上さん!ベル役、決まったんだって?」

いつもと変わらない笑顔を見せて出迎えてくれる君。
いつもの場所に陣取って、革袋から知恵の輪を取り出し
テーブルの上に並べた。

「あ、これって、智慧之輪先生の、ですよね?
 いろんなのがあるんですね」

「うん。どれを使うかは任せるっていわれたから
 最上さんの意見も聞いてみたくてね
 好きなのある?」

「どれといわれましても...どれもデザインが凝っていて..」

「日本ではこの手のパズルは知恵の輪と呼ばれるけれど
 これは キ.ャ.ス.ト.パ.ズ.ルといわれるものでね、
 19世紀末にイギリスで流行ったデザインなんだって。
 ほら、これとかはヘラジカの角をモチーフにしているんだそうだよ」

テーブルに並べたパズルのいくつかを説明しながら、
俺は君がそれに気づくのをじっと待っていた。

「敦賀さん、これは?」

「あ、やっぱりそれが気になった?
 最上さん、好きだろうなって思ってたんだ。
 これはね、キ.ャ.ス.ト.ケ.ー.ジ。ちょっと通常のものと違うんだけどね
 ほら、ここが花びらになってるでしょ?
 籠から花びらを取り出すパズル。
 これは特別なものでね、
 想い人を念じながら解けたら『恋愛成就』と言い伝えられてるものなんだ」

「すてきな言い伝えですねぇ」

そういってカラコロと試してる君の手に触れたくなる衝動を封じ
パズルに興ずる君を見つめた。
君は今、誰かを思い浮かべてる?
この瞬間、君が念じている相手は俺であってほしい。
花びらを取り出して散らす、その意味に君はまだ気づいていないのかな
俺が君にそんな気持ちをずっと抱いていることも?


「敦賀さんはもうこのパズル、攻略済みなんですか?」

「うん。つい数時間前にね」

「恋愛成就おめでとうございます」

きれいな笑顔を浮かべる君。相手は君なんだけどね? 
他人事のように祝いを述べる君にイジワルしたくなって。

最上さんからパズルを取り上げカラコロカラコロ...
弄びながら彼女に問うた。

「ねえ、最上さん?
 番組のマスコットの鶏クン、えっと『坊』っていうんだっけ?知ってる?」

「ええ、知ってますよ」

ふふっ ちょっと動揺した?

「俺、彼にはいろいろ相談にのってもらってて」

「え?? そうなんですか?」

ぷっ なにそのカクカクな動きはw

「智慧之輪の撮影が始まる前に解決しておきたい問題があってね、
 彼に相談したいことがあるんだけど、なかなか会えなくてね。
 それで最上さんにお願いがあるんだけど」

「なんでしょう?私にできることでしたら」

「うん。なりきりのうまい最上さんを見込んでのお願い。
 たぶん彼なら俺にこう助言してくれるだろう台詞をいうから
 彼になりきって俺にいってくれる?」

「そんなことでいいんですか?」

「うん。最上さんがそう言ってくれたら俺は前に進めると思うんだ」

「わかりました。御期待に添えるかどうかわかりませんが..どうぞ!」

気合いを入れて構える君の様子がおかしくて
吹き出したくなる気持ちをあわてて抑え込んだ。

「えっと、まずは...思いっきりワルな感じで」

「ワル?ですか?」

「そうそう、ギャング団のボスみたいな感じで 『落とせ』って言ってくれる?」

「こ、こうですか?  落とせ!」

「ああ、いいね。もっと近くで言ってくれる?俺を見て」

席を立ち君の前にかがみこんだ。

「っっと、つ、ツルガサン?」

「ね、凶悪な感じでもう1回」

「お.... 落とせっ!」

「うん、いいね♡ じゃぁ、次。
 今から俺がいうことをそのまま返してくれる?
 演じ方は君にまかせるから」

「ほえ!?」

「おや?できないのかな?」

「で、できますっ」

「じゃ、始めるよ?....ずっと一緒だよ」

「ずっと一緒だよ」

「大切に思ってる」

「大切に思ってる」

「愛してる」

「アイ..シテ.. ル  あ、あのっ ツルガサン?」

真っ赤に染まった君に期待してしまう自分。
思わず抱きしめそうになった両腕をなんとかなだめて
小さな紙袋を手渡した。

「俺への誕生日プレゼント、
 なんでもどうぞっていう君の言葉に甘えてもいいかな?
 2月14日の夜。君の時間と身体を。
 そのときにはこれをつけてほしい」

はてなマークがぷよぷよ浮かぶ君に念押し。

「俺のお願い、きいてくれる?」

「は、はいっ!もちろんでございます!
 あ、ですが、その日でよろしいんですか?他の日でも...
 だって、特別な日ですよ?他にお誘いする方が..」

「だからだよ?君は俺の特別だから。
 じゃ、約束だよ?またね、最上さん」

君の返事がかわらないうちに俺は部室をあとにした。


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紙袋の中身は... おぱんつじゃないですよ?(;^_^A

花びらパズル恋愛成就のくだりは妄想でございますが、
キ.ャ.ス.ト.ケ.ー.ジは実在します。
ただし取り出すのは花びらではなく星のような形。
このお話を書きたくなったきっかけのひとつは、
ネットで遊んでいたときに
たまたま流れてきた数枚のパズル画像だったのです。
とてもシンプルなのにひとつルートを間違えると解けない。
まるで恋愛迷宮みたいでしょ?