おそれおおくも、続き妄想を。

お話の世界観を壊してしまいそうで、〆切当日までどうしたものか悩んだのですが
「続きをどうぞ」のお言葉に甘えさせていただくことにしました。
k e r o 様、公開のお許しをありがとうございました。
素敵なキャラクターを生み出してくださったk e r o 様へ感謝の気持ちを込めて捧げます


愛 の カ タ チ 67,68 沙蓮ちゃんと潮さんの会話のシーンの翌日設定になります


実は、わたしには、ピグをしながら妄想する性癖があります。
いつもは ピグ部屋で妄想することが多いのですが
完結した感動そのままでピグのカフェを攻略していたら..
突然、この妄想カフェに潮さんと沙蓮ちゃんが遊びにきてしまいました。
k e r o 様の思い描かれているものと、大きく違うように思うので
ご不快でしたら、ここで閉じてくださると幸いです。

(検索よけのために、タイトル、お名前にスペースを入れています)



$ねこぶろぐ


→ ピグ 妄 想 カフェはこちら




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住まいのすぐ近くにある 通称「ド ナ ル ド カフェ」
こちらに引っ越してすぐ、潮はキョーコと沙蓮のために犬を飼った。
最初の散歩のときに偶然見つけたそのカフェの入口には
あの有名すぎるアヒルのでっかいぬいぐるみが飾ってあり
ペット同伴入店歓迎のその店は、すぐに沙蓮のお気に入りの店となった。
店内には特大のスクリーンが設置されていて
業界関係者の多いこの土地柄か、いつもなにがしかの作品がかけられている。
時には明らかにプロの仕事と思われる”自主制作”作品が上映されることもあって
ここを訪れるのが一家の楽しみになった。
世間話の流れから、キョーコの料理の腕もオーナーの知るところとなり
幸運にも彼女の手料理にありつけた常連客の熱い要望で
月に2回、日本料理の講習会を店内で開くようにもなった。
なんだかんだで、今では家族ぐるみのつきあいだ。
この店を通じて、近隣にすむ業界関係者とも交流が深まった。
オーナーは、沙蓮を娘のようにかわいがり、彼女のために
彼女お気に入りの席に特別の椅子とテーブルを用意したほどだ。


今日も ふたりで、いつものように、いつもの席に座って
気持ちのよい時間を過ごしていた..つもりだった。

「潮!手、出して!」

「”お父さん”って呼んでくれるんじゃなかったのか?」

沙蓮は潮の問いには応えず、にっと笑い、潮の薬指にリングをはめた。

怪訝な潮の正面に座り直した沙蓮は、こころなしか頬を染めているようにも見える。

「他の女に、潮をもっていかれたくないのよ..
 だからこれは魔除けよ!魔除け。外さないでね?ずっと、身につけててね?」

「こんなものなくたって、俺に手出す女はいないよ」

「それは今まで、ママがいたからでしょ?
 離婚したなんて知れたら、今まで潮を狙ってた女が仕掛けてくるに決まってるんだから!」

「だから、そんな女、いないって!」

「もうっ! 潮ってば、ほんと、わかってない!」

「自分の魅力がどの程度だなんて、わかってるさ」

「わかってない!久遠なんかより、潮のほうがよっぽど素敵なんだから!」

声を荒げる沙蓮の前に、カチャッと音を立ててティーカップが置かれた。

顔を上げた沙蓮にオーナーがそっとささやく。

「沙蓮、君の王子様は手に入りそうかい?」

「ん?沙蓮、王子様って、お前、好きな男ができたのか?」

潮の問いかけに、沙蓮は潮をじっと見つめる。

「好きな男なら、ずっと前からいたの。
 小さい頃から、ずっと彼が私の王子様だったわ。
 潮、あなたよ!

 潮が、ママのこと、愛してるのよくわかってたから..
 だから私...

 でも、昨日、潮から離婚の話を聞いて決めたの!
 私、潮のお嫁さんになりたい!
 だから、潮と一緒に住むのはやめる!
 だって、私の年齢だと、潮が通報されちゃうんでしょ?
 潮といつも一緒にいたいけど、潮が逮捕されたら困るもの!
 だから、一緒に住むのは我慢する!通うわ!毎日!
 籍もママと久遠のとこに入れてもらう。
 だって、潮と結婚するとき、ややこしくなっちゃうもの!」

「沙蓮?ちょっと落ち着け!ほら、これでも飲めって」

なだめようとする潮の手を振り払う。

「潮、前に沙蓮と約束してくれたもん!
 潮のお嫁さんになりたいっていったら、『いいね、それ、素敵だ』って言ってくれたもん!
 だからそれ!婚約指輪だから!
 大切なひとの手を離しちゃダメだって、教えてくれたの、潮だから!
 ひとりで悩んで勝手に諦めるなって、教えてくれたの、潮だから!」

沙蓮は一気にまくしたてると、ふうぅ...と大きく息を吐いた。
すくっと立ち上がり、すぅ..と右腕をあげ、潮に狙いを定める。

「ロックオン.. 」

少女とは思えない艶やかな微笑みとともにウィンクを飛ばし
愛犬を連れ、店を出て行った。


店内に残された、灰と化したひとりの男。

「本気かよ..?」


あまりのことに、テーブルに突っ伏した。

『大きくなったら パパのお嫁さんになる』

男親にとって、娘からいわれたら、最高にうれしい夢のようなこの言葉。

だけど、それを本気で言われたら..



潮...どうする?