映画の朝ごはん(2023・日・131分)

監督:志子田勇

ナレーション:小泉今日子

映画やドラマの撮影現場で長年愛されてきた

東京都練馬区のお弁当屋さん「ポパイ」に

フォーカスし映像撮影現場を支える

「制作部」の若者の姿を追ったドキュメンタリー

 

タイトルやポスターから

てっきり、お弁当屋さんの一日とか一年を

追ったドキュメンタリーかと思っていました。

映像撮影現場のスタッフ・キャストを支える朝食

準備するもの、緊急対応するもの、食べるもの

全ては「作品」を作り上げるため

それぞれの現場の

プロフェッショナルの仕事を見ました。

 

映画の「制作部」の仕事を初めて知りました。

キャスト、スタッフのお弁当や飲み物の手配

現場のありとあらゆる準備。

テレビ制作現場のADや「演出部」の助監督の

ような縁の下の力もちですね。

製作部は映画の経費(交通費、食費等)も管理していて

そりゃ映画の製作費も膨らむわと実感しました。

 

この映画で監督が伝えたかったのは

人間にとって必要な「食」同様

映画現場には制作部の献身が

必要不可欠だってことです。

 

おにぎり2個、お新香、唐揚げかゆで卵

とてもシンプルなお弁当だけど

ポパイのロケ弁を食べてこそ

商業映画の撮影現場に立てたステータス。

映画関係者には思い入れの深い映画に

なったに違いありません。

 

ポパイの厨房や個性的な従業員の

エピソードを丁寧に撮影し

有名映画監督の忌憚ないインタビュー

今時の若者「制作部」の新人の奮闘など

飽きさせない2時間超の大作ですが

ドキュメンタリーとしては

もう少し上映時間を短くできなかったですかね?

確かに思い入れの強い映像でしょうが

観客の立場で言えば90分くらいに

まとめてほしかったですね。

 

映画ファンには新鮮な切り口と

撮影現場の情熱がしっかり伝わる映画で

観て決して後悔はしないと思います。