【映画】クレイマー、クレイマー~不朽の名作 | 野球と映画、ときどき…

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野球中心にスポーツ観戦が大好きです

ただ、映画鑑賞は私のライフワーク

吹奏楽、美術鑑賞、舞台鑑賞そして猫

好奇心のおもむくまま「おきらく」に

生活を楽しむをモットーにしています

クレイマー、クレイマー(1980・米・105分)

監督:ロバート・ベントン

主演:ダスティン・ホフマン

    メリル・ストリープ

 

★ネットフリックスで鑑賞

 

仕事人間テッド(D・ホフマン)に愛想を

つかし、自分自身を取り戻すため

一人息子ビリーを置いて

家を出たジョアンナ(M・ストリープ)

慣れない家事や息子の世話に

追われつつ息子との絆を深めるテッド。

やがて生活が落ち着いた頃

元妻ジョアンナから息子の

養育権請求の裁判を起こされる。

 

忘れもしない1980年4月29日

高校1年生だった私

今は無き神戸元町・大丸横の

朝日会館(映画館)で

アカデミー作品賞受賞で話題だった

「クレイマー、クレイマー」を鑑賞しました。

 

高校生時代に観たこの映画は

ものすごい衝撃でしたびっくり

 

離婚裁判ってこんなに醜い争いなのか?

勝つためには手段を選ばないというか

相手を叩きのめす様な強い口調での批判

一方、離婚するほど憎みあっているのに

最後、元夫婦がお互いを思いやることが

できるようになるのは何故なのか?

「絆」って一緒にいた時間や思いの深さとは

比例しないのかもしれない。

 

今ならそれぞれの疑問に

自分なりの回答は出せます。

それは私も結婚して家庭を持ち

夫婦間のいざこざも子育ての大変さも

経験してきたからこそです。

 

これ40年前の映画ですよ。

40年たってもそのテーマは不変です。

女性の自立

夫婦間の思いやり

別れた父母が子供とどう関わっていくか

この映画を不朽の名作

言いたい理由は、そこです。

 

人生の節目で何度も

観直している映画です。

観る度に新しい発見があります。

そもそも映画って

観る年代、その時の生活環境で

作品の印象が変わります。

 

子育てをほぼ終えた今改めて

この映画を観て思うのは

子供への愛情の深さは

父母で比べられないという事ですかね。

細く長い糸より太くて短い糸の方が

強度としては強いですものね。

映画の最後で元夫婦が導いた答えは

まぎれもなく子供を第一に考えた結論でした

 

母親は自分のお腹を痛めて産んだ子

父親の愛情なんて母親の愛情に比べたら

比較などできないと思っていました。

今から約20年前、大阪で小学校乱入

無差別殺傷事件がありました。

緊急連絡で学童や保育園にお迎えに

行って帰宅したとき主人が言いました。

「もし、ウチの息子らが被害にあったら

俺は何をする(復讐)か分からん」

私この時、主人の言葉に感動というより

本気で言ってるかと疑いの目で見てました。

普段、父親らしいことも家事もろくにせず

こういう時だけ父親面するかって思ましたよ

ただ、昨年の次男の結婚式で涙して

親族代表挨拶をした主人を見た時

この人にも息子への情はあるんだな

と20年近く経って気が付きました(遅)

 

高校生当時、この映画を観たときは

なぜテッドが一人で子育てするんだろう

と疑問でした。

祖父母や親戚が出てこないからです。

そこはアメリカという国の

事情もあるだろうし

父子の絆や夫婦の在り方を

テーマにした作品なので

あえて登場人物を絞って

シンプルに描いたのだろうと思っています。

 

初めてこの映画を観た時

大人の事情とでも言いましょうか

夫婦って一筋縄ではいかないんだな

結婚への憧れより絶望を感じました。

しかし、結婚して絶望しても

経験する価値はあると

思い直したのも就職後あらためて

この映画を見直したからです。

 

自分の命より大事なもの(子供)

そのために人は鬼にも仏や神にも

なれるのだと思ったからです。

子供を持つことで未来を恐れず

人として成長したいと思いました。

 

今回見直して再び感動したのは

子供への気持ちの伝え方です。

ビリーの年齢は映画では7歳です。

ある程度大人の事情も分かる年です。

テッドがなぜ妻が出て行ったのかという

事情を子供にも分かりやすい言葉で伝え

決して母親は息子を捨てたのではないと

自分にも非があったと

息子ビリーに伝える場面は

涙が止まりませんでしたえーん

離婚にはマイナスイメージが多いですが

離婚したからこそ笑顔で生きていける

離れたからこそお互いを思いあえる

という前向きな利点もあると思います。

前向きな言葉や素直な反省は

子供にもちゃんと伝わると思います。

 

そして、当時も今も思うのは

たとえ夫婦という縁が切れても

この3人は元夫婦と子供という

新たな親子関係で、いつか

笑顔で食事できる日がくるだろうという

明るい未来がみえることです。

 

子連れ離婚に悩んでいる方も

離婚で後悔して悩んでいる方も

まだ結婚していない方にも

是非、観てもらいたい名作です。