5月25~27日にかけて、第95回日本産業衛生学会が行ってきた。
みんなたくさん発表していて、会場にもたくさんの産業医さん達が来ていました。
COVID-19だったら呼吸器の著名な先生、メンタルヘルスだったら精神科の著名な先生を呼んで、講演もされていた。
さらに産業医的な立場での見解も合わせていて、良さそうであった。
そのなかでも、特に注目が集まっていたのは、メンタルヘルスだ。
数年前までは職業性うつのメンタルヘルスであったが、今は発達障害のメンタルヘルスだそうだ。
これだけ注目されているのは、発達障害の認知度が上がってきたことと、過剰診断で発達障害が増えていることの、2通りだろうな。
発達障害(自閉症スペクトラム(ASD)と注意欠陥多動性障害(ADHD))は、双極性障害やパーソナリティ障害と症状診断が非常に見分け付かず、過剰診断になることが多い。
発達障害が「『脳の各部位の機能や神経伝達回路がうまく機能していないことによる障害』という先天的なものである。」
パーソナリティ障害は、「遺伝的な要因も考えられるものの、生育環境・家族関係や社会の価値観、自身の経験も大きく関わってくるため、後天的な要素が大きい。」
⇒ 発達障害の特性が原因となって、周囲から愛情やパーソナリティ障害に見られる認知の歪みが、発達障害の患者さんにも見られる可能性があるんだろうな。
そのため、症状の出現時期、生育歴は問題はないのかは、重要である。
いずれにせよ、抗うつ薬を処方すると興奮して、問題行動を起こす可能性がある。
そのため発達障害の過剰診断には注意しなければならない。
精神科にいけば、病歴を詳しく聞き、必要に応じて心理検査を行ってくれる。
そのため「自分が発達障害かもしれない」「相談者が発達障害かもしれない」と思った患者さんは、まずは精神科で相談してみてください。