私は麻雀をするひとです。
プロ雀士と言えば早いですが、あまりそのカテゴライズは好きではありません。
職業は小林里紗なので、
「私はプロ雀士です」と提示することに抵抗があるのです。
ご存知の方もいるとは思いますが、
私が麻雀を打つ理由は
「生きていくためのバランス感覚を養う為」です。
麻雀をご存知でない方にはさっぱりわからないかもしれませんが、
麻雀を打っていたからこそ危機的状況を察知し、命拾いしたことが数多くありました。
私が生きていく上で必要な要素が麻雀にはたくさん詰まっています。
言い換えれば、
私は人生においての学ぶべき事柄を麻雀からなら受け取ることができます。
だから麻雀牌を握ります。
そんな麻雀の世界に、尊敬する麻雀打ちがいます。
私はこの1年強の間に、その人からたくさんのことを学びました。
ワタルくん。
彼と出会ってまず最初に感じたこと
「この人が卓についたら、何か奇跡を見せてもらえるような気がする」
そして、「この人が麻雀の世界で活躍したら、麻雀界は必ず変わるだろう!」
そんな風に感じました。
話せば話すほど、牌を交わせば交わすほどに、その直感に自信を持つようになりました。
ワタルくんは人の批判をしない。
私は、よく人の悪いところが目に入る。
だからすぐに文句を言うし、人のせいにする。
そんな時、ワタルくんは注意をくれた。
ある時、セット麻雀を打っていた。
不調な私がぽつりと
「あ~麻雀がわからなくなっちゃった~」とぼやいた。
私は色んな経緯があり、事情もあって出した言葉。
けれど彼から注意をうけた。
「まるで麻雀わかっていたような言い方だよね?」
少しイジワルな注意だなと少し戸惑った。
でも、ワタルくんの言葉は正しかった。
「よく、最近麻雀が勝てないとかわからないとか言う人いるけど、あれってあんまり好きじゃないな。
じゃああなたはいつもはすごいんですか?って聞きたくなる。おごった言い方だよね?」
特に考えずに書いてしまうような言葉。
ワタルくんの話を聞いてから、色んな人のブログで目にする。
「最近麻雀の勝ち方がわからなくなった」とか「最近麻雀勝てない」etc・・・・・・
今までは特に気に障らない文字でしたが、なんだか引っかかるものがあります。
それが駄目というわけではないけれど、その文字は誰も得をしない文章だなと感じます。
ワタルくんの言葉は本当に勉強になります。
「まずはその人の話を聞いてみる。」
その精神はとってもすごいです。
麻雀を打っていて、理不尽な出来事に度々遭遇します。
私は割合とすぐにイライラしてしまいます(笑)
でも、それは私の勝手な角度から見た感情。
相手の立場に立って、相手の意見も聞いてみないと勝手な判断はできないですよね。
今まで「私は他の麻雀プロとは違う!そうありたい」
そんな気持ちがどこかにありましたが、
彼に出会って自分の未熟さをたくさん知りました。
口だけ番長というか、私は何にもやっていないのに
気持ちだけで何かをやっているような錯覚に陥っていました。
怠け者で努力もせず、
人の批判ばかりしてきました。
現時点で、残念ながら私はワタルくんに負けています。
麻雀プロとしての存在価値は遥かに彼のほうがあります。
ここまで尊敬し、敬愛し、応援できる麻雀打ちに学ぶことができるのはありがたいことです。
麻雀の対局の報告をする時、
「どうだった?」とワタルくんに聞かれます。
成績を答える私。
「俺はそんなことは聞いてないよ!成績のことはどうだっていい。楽しく打てたかどうか聞いてるんだよ」
その言葉が本当にありがたい。
何故なら、
私が楽しく麻雀を打てたときは自然と結果もついてくると知った上での言葉だから。
私は人生においても、お金とか結果とか、目先のチャラチャラした事柄に惑わされます。
目が曇っています。
ワタルくんはお金では心が動かない。
表面的な事柄に簡単に惑わされない。
本当にすごいと思います。
誰に褒められることがなくても、誰にも気がついてもらえなくても、
自分で決めたことは守る。
そして、それを人に自慢したりしない。
努力を人には見せない。
この21世紀に、同じ麻雀界に生きる中に、
こんなにまっすぐな若者がいるということに
それだけでも未来は明るいと私は思います。
ワタルくん、これからもたくさん色んなことを吸収させてください。
宜しくお願いします。