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「WEBを活用した沖縄音楽の可能性」パネルディスカッション

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2010年12月22日に沖縄県立博物館・美術館にて

株式会社ロフトワークの林千晶氏を迎えた講演会
「WEB × クリエイティブで実現する地域活性」

レポートはこちらからご覧頂けます。
USTREAMで講演内容をご覧頂きたい方はこちらから。


第二部では、有限会社スパイスプロダクション代表の崎原徹氏、
NHK沖縄放送局の山崎隆博ディレクターを迎え、
PLANNING OFFICE Coda代表の幸田悟ナビゲートで
「WEBを活用した沖縄音楽の可能性」についてディスカッションしました。

まずは、これまでの音楽業界の実態について幸田が解説。
レコード(CD)の販売数が、アーティストの人気の指標とされていた頃、
ピーク時(1998年)には約6075億円あったレコード総生産金額は
年々下落傾向にあり、2009年には約2496億円まで落ち込んでいます。
とはいえ、デジタルメディアの発達により、
これまでの音楽購入の主流であったCDパッケージから、
ダウンロード配信へと時代を変え、Twitter 、Myspace、USTREAMなどが登場。
音楽業界をとりまくビジネスの形も10年前とは、だいぶ姿を変えています。
98年に1430万人だったライブ入場者数は、2009年には2606万人まで増加。
音楽が市場に受け入れられなくなったのではなく、
時代とともに求められる音楽の形が変わってきたと説明し、
音楽業界を取り巻く変化について、
津田大介+牧村憲一著の「未来型サバイバル音楽論」を紹介します。
実は、株式会社ロフトワークが運営するOpenCU(学習ネットワーク)では、
この本に基づいたパネルディスカッションが開催され、
その模様をUSTREAMで配信しています。興味のある方は是非ご覧下さい。
http://www.ustream.tv/channel/opencu-ustream


変動の最中にいる音楽業界で、
昨年夏から自主レーベルSUPER ECHO LABELを立ち上げ、
沖縄発信で音楽活動を続けているORANGE RANGE。
そんな彼らをサポートしている崎原氏は
これまでのように大衆をターゲットにした音楽活動よりも、
メンバー個々の個性をアピールし、ファンを増やしていくことで、
今までと違ったファン層や、展開が広がりつつあると話します。


それに対し、林氏は
「最初からマネタイズばかりを重視して進行させるよりも、
プロジェクトを最小単位にとどめ、進行させる事が大切。
どうしたらビジネスになるか…よりも、なぜやりたいかを問うことから始めれば良い」と語ります。
特にWEBの世界では「わらしべ長者」のように、ひとつから次のひとつが生まれ、
徐々に自分の欲しかったものにたどり着くかのような現象も珍しくないとか。


一方メディアの立場から山崎氏は、
「WEBというメディアが主流になった今、
テレビはWEBでは映し出せないものを伝えようという動きを見せている」と話します。
「例えばアーティストに1年間密着し、彼らの音楽に対する思いを編集して伝えるというのが
これからのテレビの役目だと思っています。とはいえ、沖縄ではアーティストそれぞれの
プロモーション力が、東京に比べてまだまだ消極的。
もっと自分たちの熱意をメディア関係者に伝える事も大切」と話します。

インターネットが普及した今、私たちの周りをとりまく環境に大きな変化が起きています。
そんな中、変わらず魅力を持ち続けるのは、アーティストそのものの存在。
彼らの放つ個性や魅力や存在感が、唯一無二のものとしてあり続け、
彼らとの時間や空間を共有することが価値となるのです。


最後に崎原氏は、「ORANGE RANGEの今後の活動に関わりながら、
アーティストと彼らを取り巻く様々な人とのコラボレーションを通し、
沖縄=ミュージックアイランドという図式を作って行きたい。
そしてそのコミュニティを沖縄から全国、そして世界へ広げ
さらに広がったコミュニティを「沖縄へ持ち帰りたい」と話します。

また山崎氏は、「今後は、テレビ、携帯、ネットという
スリースクリーンの連携によって広がる可能性に目を向け、
アーティストの魅力を伝え、その魅力を未来に伝えて行けるよう
メディアとして力を尽くしていきたい」とし、パネルディスカッションを終えました。

「WEB × クリエイティブで実現する地域活性」INFORMATION
パネリストプロフィール
株式会社ロフトワーク代表 林千秋
 1971年生、アラブ首長国育ち。早稲田大学商学部、ボストン大学大学院ジャーナリズム学科卒業。1994年に花王に入社。マーケティング部門に所属し、日用品・化粧品の商品開発、広告プロモーション、販売計画まで幅広く担当。1997年に退社し米国ボストン大学大学院に留学。大学院卒業後は共同通信NY支局に勤務、経済担当として米国IT企業や起業家とのネットワークを構築。2000年に帰国し、ロフトワークを起業。14,000人が登録する日本最大級のクリエイターコミュニティを核として、Web開発、コンテンツ制作、映像、広告プロモーションなど信頼性の高いクリエイティブサービスを提供。またクリエイターとのマスコラボレーションの基盤として、いち早くプロジェクトマネジメント(PMBOK)の知識体系を日本のクリエイティブ業界に導入。米国PMI認定PMP。米国NPOクリエイティブ・コモンズ アジア・プロジェクト・コーディネーターも務める。

株式会社スパイスプロダクション代表 崎原 徹
 2000年インディーズCD専門店スパイスレコーズをコザにて出店。2002年にインディーズレーベルspice recordsを立ち上げ、ORANGE RANGE、HIGH and MIGTHY COLOR、All Japan goith、Heaven's Hemp Hoifesta、the do-nuts等をを排出。2008年からはLIVE HOUSE Salt & pepper やレコーディングスタジオを運営。また、ORANGE RANGEがメジャーから移管した自主レーベル「SUPER ECHO LABEL」の実運営も行う。
現在は、都市先行型の音楽発信ではなく、沖縄から全国に向けたアプローチを展開。CD販売に先駆け、着うた先行配信やTSUTAYA先行レンタルなども戦略的に行っている。

NHK沖縄放送局 ディレクター 山崎隆博
 NHK沖縄テレビ放送局のテレビ番組「沖縄ちゅらうた」や、同局ラジオ番組の「沖縄ミュージックジャーニー」のプロデューサー。未来に残したい沖縄の歌にスポットをあて、紹介している。また地方都市だけの発信にとどまらず、沖縄から全国に向けた発信も展開。12月29日には「沖縄ミュージックジャーニー」の全国放送を予定。また、ふたつの番組を通した沖縄音楽のアーカイブをwebサイトを用いて構築中。

USTREAM配信先:http://bit.ly/hSlnDP


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