今日のテーマ


 今回は2011年が本当の「平成」の始まりであることを述べます。集団アイドルの形態がメジャーになるまでを中心に語ります。






「昭和」時代2010年終了説




 2011年こそ、本当の「平成」の始まりです。それまではずっと「昭和」を引きずって、「平成」という時代の色が確立しきっていませんでした。筆者は平成2年生まれですが、2000年に入るまでは全体的に「昭和」と大きく変わったことはこれといってありませんでした。また、2000年を過ぎてもしばらくは、まだまだ仕組み的には「昭和」を引きずっていたり、「昭和」の発想に代わるような発想がいまいち人々の間に広まっていませんでした。実際、筆者の小学校3年生までは多くの若者がまだ1980年代と変わらないスタイルでした。三つ子の魂百までといいますか、小さい頃にみた、お姉さんのスタイルがまだバブリーだったので、 未だに筆者はバブリーなスタイルに弱いのです。ところが00年代に入った途端に今もZ世代の若者もしているようなスタイルが一気に広まって、最近まで黒髪にリボンをしていたようなお姉さんが髪を金や茶色に染めたり、暗めの色をいっぱい身につけるようになったりと、むしろ若者のスタイルが退化していったように筆者に映るぐらいの大変化が起こったわけです。本当に何をどう間違えたのか。しかも中高年まで髪を金や茶色に染めるようになったのですね。日本の美が壊れていくような危機感を覚えましたね。バブル世代の人たちはバブリーな服装をしていた頃の自分を封印しないのですけど、何をそう頑なになる必要があるのか団塊ジュニア世代とポスト団塊ジュニア世代はバブリーな服装をしていた頃の自分を未だに封印しているのですよね。 平成生まれでも筆者は間接的にバブルを知っているといえば、そうで、ほぼ昭和に生まれたといっても過言でないくらいに「昭和に近い時代」を生きてきたわけです。






22年かかった新時代の幕開け




 そして2011年に一つの転機を迎えるのですね。2011年にカードファイト!!ヴァンガードシリーズ、プリティーシリーズ、「アイドルマスター」テレビアニメ第一作、うたのプリンスさまシリーズが開始しました。2012年にアイカツシリーズが始まり、2013年にラブライブシリーズと弱虫ペダルシリーズが始まっています。2011年からまた続々と現在も続くテレビアニメシリーズが始まっているのです。また前回で触れましたように2011年のカードファイト!!ヴァンガードシリーズが始まってから、 トレカのシリーズが続々と新たに誕生しています。カードとしては2014年にウィクロスシリーズがリリースとなり、テレビアニメシリーズもスタートしていますし、、2016年にはシャドウバースシリーズがリリースしています。ただ、シャドウバースシリーズがテレビアニメ化するのはしばらく後のことになるもののトレカの盛況ぶりがうかがえるわけです。注目すべきはやはり集団アイドルもののテレビアニメが相次いでいることですよね。まさにそれらのシリーズの人気によって「新時代のアイドルといえば集団アイドル」の認識が確立したわけです。まさに平成は集団アイドルの時代なのです。








松浦亜弥・最後のブレークソロアイドル説




  テレビアニメで集団アイドルがメジャーということはもう全体的に集団アイドルがメジャーなのです。ただ、やはり2011年になるまでは「新時代のアイドルといえば集団アイドル」の認識はいまいち確立していなかったわけです。ここまで語ってしまうと一旦話をアニメから離れる必要がありますね。そうです、1997年結成からの1999年のモーニング娘。のブレークに2010年のAKB48のブレークにアイドル戦国時代の到来に触れざるを得ませんよね。

 モーニング娘。のブレークによって女性の集団アイドルという形態に大いに注目が集まったわけですが、女性の集団アイドルがメジャーになったわけではありませんでした。むしろ女性の集団アイドルで売れていたのはモーニング娘。やその姉妹グループたちぐらいで、実は女性の集団アイドルはビジネスとしてはまだ下火だったのです。むしろジャニーズ事務所の男性集団アイドルの方が売れていたわけです。Z世代の若者たちには意外かもしれませんが、集団アイドルといえばジャニーズで、しばらくは集団アイドルでジャニーズの右に出る者は現れなかったのです。当時の人々には少年のハモり声がうけていて、少女のハモり声は黄色くて聞きづらいように感じられていたわけです。実際、ジャニーズのアイドルにはお年寄りのファンも多くついていました。そんななかモーニング娘。が一躍時の人となれた理由として考えられるのは、安室奈美恵をはじめとする沖縄アクターズスクール閥のミニチュア版だったということです。沖縄アクターズスクール閥はアメリカのストリートダンスにかぶれたスタイルが特徴で、 若者らしい迫力あふれるパフォーマンスがうけていたわけですが、なじめない人にとっては、おっかなくて、とっつきにくかったわけです。一方、モーニング娘。はスタイルは沖縄アクターズスクール閥に 似てはいるものの、彼女たちに比べれば迫力は全然ない分、彼女たちにはないような癒し要素を強くもっていたわけです。恐らく沖縄アクターズスクール閥になじめない若者が流れていったのがブレークに至ったきっかけではなかったでしょうか。ただ、モーニング娘。はいくら売れても 最終的にはジャニーズに負けてしまうわけです。

 そういう流行がアニメにも反映されます。1998年、80年代に人気だった「ぴえろ魔法少女シリーズ」の復活作となったテレビアニメ「魔法のステージ ファンシーララ」が放映されました。「ぴえろ魔法少女シリーズ」はソロアイドルの少女の活躍を描くテレビアニメシリーズなのですが、「魔法のステージ ファンシーララ」はただシリーズ復活作というだけで新しみはなかったわけです。恐らく、その時代唯一のアイドルアニメものだったと思いますが、テレビアニメがそうであるように、モーニング娘。がうけていても集団アイドルがメジャーな形態になったわけではなかったのです。また男性の集団アイドルを描くテレビアニメが存在しなかったことからも、いかに集団アイドルがメジャーじゃなかったかが伺えます。実際、鈴木あみというソロアイドルも人気を博していたわけですから、集団アイドルを描くアニメが生まれる余地はなかったようです。2000年からモーニング娘。の妹分に新しく松浦亜弥、藤本美貴と続々とソロアイドルが誕生していることからもうかがえるわけです。   






「昭和」の脱却





 2005年に後のアイドル戦国時代と声優アーティスト全盛の素となるシミュレーションゲームがリリースされました。それが「アイドルマスター」です。「アイドルマスター」はプレイヤーがプロデューサーとなってアイドルグループを育成するゲームです。そして、まもなく2.5次元展開をします。なんと、そのアイドルグループを演じている声優たちも役と同じくグループを組んでゲームの挿入歌を歌うことで役と同じアーティスト活動をすることになったわけです。これが大ウケ。そして、そのゲームに発想のヒントを得て誕生したのが「AKB48」なのです(創立者秋元康は明言していませんが)。AKB48は売れるまでに4年ほどの歳月を要したわけですが、2009年にオリコン3位にランクインしてから人気が急上昇して2010年にブレークとなったわけです。これがまた新たなムーブメントを引き起こしました。AKB48にはすでにSKE48という名古屋・栄地区を拠点とする妹分グループがあったわけですが、 SKE48がAKBのおこぼれをもらったおかげでAKBと関係ないローカルアイドルまでもおこぼれをもらってローカルアイドルが改めて注目を浴びるようになったのです。それで、その2010年に大阪・難波地区を拠点とする「NMB48」、2011年に福岡・博多地帯を拠点とする「HKT48」が誕生したことでローカルアイドルというジャンルそのもののブームが起こって「アイドル戦国時代」に突入したわけです。そして、その2011年にプリティーシリーズ、「アイドルマスター」テレビアニメ第一作、うたのプリンスさまシリーズが開始したことで、集団アイドルの形態がいよいよメジャーとなり、ついに日本は「昭和」を脱却したわけです。







日本の救世主としての絵画




 今日の集団アイドル人気のそもそものもとをたどると「アイドルマスター」にいきつくわけです。結局、絵の世界から始まっているのです。絵の世界から地方文化の盛りあがりまでつながっているわけです。やはり絵画あっての日本なのです。だから心配ないといえば心配ありません。日本人は絵画好きなので、絵画に頼れば日本は活気がわきます。それさえ忘れなければ大丈夫です。







「平成」の脱却を果すのに必要なこと






 今後の課題として考えられるのはローカルアイドルの競争力を東京発のアイドルと肩を並べるまでにあげることでしょう。今、どのアイドルも声優アーティストに負けてしまっています。なぜ負けるか、考えられるのは二つです。一つは声優アーティストに提供される曲は歌い手の声にあうように作られていることです。同じメロディや言葉でも歌い手の声によって響きかたが違います。歌い手の声にあう響きであった方が聞きやすいのです。もう一つは複数の歌い手に提供される場合、声優アーティストの方はきっちりパートわけされていることです。全員が全員同じメロディを歌うのは聞き苦しいのです。だから、曲は歌い手にあうようにつくり、複数の歌い手に提供される場合はパートわけするのがいいのです。そうしてローカルアイドルがミリオン達成となったら地方の活性化につながるわけです。

 また地方の音楽そのものが盛んになる必要があるでしょう。アイドルマスターシリーズ、プリティーシリーズ、アイカツシリーズは東京・都心が舞台の作品しかありません。その他、多くの2.5次元音楽プロジェクトの舞台も東京・都心になっています。「落ちこぼれフルーツタルト」という東京都下が舞台のプロジェクトがあったり、東京・都心以外が舞台のプロジェクトもあるのですが、いまいちヒットせず地域の活性化につながっていないのが現状です。一方でラブライブシリーズには地方が舞台の作品もあり、そして「フロムアルゴナビス」プロジェクトは北海道を舞台に、関西や九州出身のバンドも登場しており、地方に根強いファンを獲得することにつながっています。今後はローカルアイドルと地方を舞台にした2.5次元音楽プロジェクトに新たなムーブメントを切り開くことを期待したいと思います。







締め



 スケールの大きい話となってしまいましたが、「昭和」の脱却を経た後に二十歳前後を迎えたからこそZ世代の若者たちはこれから起こる大きな変化を上手く乗り越えてゆくことでしょう。高齢化社会とも言われている今の日本ですが、やがて高齢化社会も終わります。そうなると2011年にできあがった文化の考え方が本格的にものを言うでしょう。高度経済成長期の感覚がやがて通用しなくなるものと心得て今日明日を生きてください。






   それではまたブログで会いましょう。