1年前、
悪性軟部腫瘍の手術の前に、
広範切除についての説明が
先生からありました
「悪性の腫瘍であるので、
腫瘍そのものだけでなく、
その周囲にも、
がん細胞が散らばっていたり、
腫瘍の根っ子が、
正常な組織の中に
深く浸潤していることもあり、
ずべて取りきらないと、
後に、再発や転移を
してしまいます。
ですから、正常な組織で、
悪性腫瘍を囲んで包むように
切除する手術になります。」
がん治療の外科療法としての
適正な切除縁のガイドラインは
あるそうですが、
どれだけ広い範囲で切除をすれば
よいのかの正解はないそうです
広い範囲で切除すればするほど、
周りに散在するがん細胞を
取ることができて、
再発や転移のリスクを
抑えることができますが・・・
切除範囲が広いほど、
正常な組織が失われて、
その部分の機能が
低下してしまいます
私の場合、 |
「これだけ広範囲に切除したから、 |
原発巣は取りきれたと思います。」
と、手術後、先生に言われて、
安心していました
そして・・・
手術後、1年が経過してみて、
今のところ、再発や転移はありません
そのことは、
非常によかったことだと思いますが、
広範囲に切除された正常な組織は、
もう、元に戻ることはなく、
大きな傷となって、つらい痛みと
機能の低下に苦しんでいます
がん治療の世界では、
「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)」
という言葉があります
「再発や転移から体を守るために、
ひたすら治療するということ」
と
「正常な組織の損失を少なくして、
できるだけ機能を低下させずに、
治療後も生きていく質を向上させること」
とのバランス・・・
つまり、
治療とQOLのバランスには正解がなく、
とても難しいことだと思いました |