九月に入ると山はほんのりと雪化粧をし、ベーリングおろしが肌を刺す。
雪をいただく山々に取り囲まれ、ツンドラの上に天幕を張って、鉄兜を枕に、濃霧に包まれて寝る北洋の兵隊達は、どんな夢路をたどるだろうか。

親を失ったまだ目も見えない子狐を、兵隊達が温かく育てているのである。

このアッツ島特産の青狐が兵隊達にすっかり馴れている。
そして、「気をつけ」「伏せ」「前へ」の号令を聞き分けるようになった。

この狐が、夜半にテントに忍び込んで来て、夢結ぶ兵隊達にキッスを贈るのである。



結城陸軍兵長24歳

昭和19年9月13日小倉陸軍病院にて戦病死
一方は畑で他方は傾斜していて泥が深い。道は悪い。
その畑を通っていたのだが、綺麗な花が一輪泥の上に美しい顔を見せていた。

将校がその花をよけて横の泥深い処を迂回して歩いていた。

花の上を踏んで歩く方が泥も少なく近道でもあるのだが、花を踏み砕くに忍びなかったのだ。

次を歩いている男もそれにならって花をよけて通った。

次々に兵隊はわざわざ泥の道を遠回りして歩いた。

部隊が通りすぎた後には綺麗な花が泥の上に浮かんでほのぼのとした美しさを見せていた。

行軍に疲れた時、実際ぬかるみ道は倍疲れる。

そんな時にさえも、たった一輪の花も踏まずに通って行った兵隊の心情が嬉しいのだ。



加藤陸軍中尉29歳

昭和15年10月17日中支にて戦死
昨日、太平洋の奇跡フォックスと呼ばれた男のDVDを観ました。

いやぁ~、よく出来てました。
国力の違い、日本の精神
無知という事がいかに愚かか
知ってなお戦わなければおさまらない全体心理
終戦を迎えてしまった虚脱感


若干、そりゃないだろ
とツッコミたくなるシーンもありましたが
全体としてはよく出来てました。


皆さんも機会があったら是非観てください