「行ってきましたよ!メゾン・ド・ヒミコ!」



中野夫妻が口をそろえて言った。



「どうやってですか?」



「高速に乗って、菊川で降りました。」



「私も、昨年の暮れに行ったんですよ。」



ご夫妻は、私が奨めた映画『メゾン・ド・ヒミコ』が



気に入り、撮影現場の“ウエルカム・カフェ”に



先週末でかけたのだそう。



私の話に乗ってくれる人は、ごくわずかなので



そういう人たちに会うと、とってもうれしい。



「あまりにこの映画が良かったものだから



DVDを買ってロンドンに居る娘に送ったんですよ。



明日くらいに届くかしら。」



「そこまで、気に入ってくれたんですか?」



「そう、それにDVDには、英語の字幕が出たの。



ロンドンのお友達と一緒に観れるでしょ。



日本映画がどんなものかが分かるし。」



「日本を、代表する映画ですか?黒澤さんや小津さんじゃなくて?」



「ちょっと、あの事務所のシーンは、どうかと思うけれど・・・



犬堂監督の“ジョゼと虎と魚たち”も観ましたよ。



暗いけれどいい映画でした。



それから、女の子が出ていた映画“県庁の星”も」



「そこまで・・・完敗です・・・。」