「頑張って定時で終わらせて、行こうよ。」
そう言って連れ出してくれた
大好きなあの花が咲いている場所
(どうせ日暮れに間に合わないから、いい。)
声に出そうになったその言葉を飲み込んだ
せっかく、私の気分を上げようとしてくれていることだから、そう思って言葉にしなかった
案の定真っ暗、、
この向こうに、わーっと咲き乱れているのだけど、スマホの電灯では暗闇を照らせない
花火みたい
綺麗だ
この時がベストタイミングだった
彼岸花は咲いて直ぐに色褪せてしまうから
それでも、見られてよかった
連れてきてくれて、ありがとうと思って伝えた


