【ヒミズ】古谷実
ブログタイトルの「普通、最高。」とは、上巻の裏表紙に書いてある文字
因みに下巻の裏表紙には、
「結局、絶望。」
と書いてある
かなり前からあちこちで話題になっていたのでずっと気になっていて、やっと手に入れた
読後感は…物凄く暗く、重い
主人公の住田は、例えようのない心の闇といついかなる時も真っ向から対峙していて、遂に抜け出せなかった
他の人が、大人になるにつれ忘れていく痛みを消すことが出来ずに結局は絶望と向き合うしかなかった
いつの日にか笑って話せるかもしれない「いつか」を待てずに、誰の力も借りずに彼は最後を迎える
あの闇
私も、知っている
気を抜くと飲み込まれてしまいそうな深い闇
岡崎京子の漫画にも度々出てくるあの闇
楽しかった時間が溜め息に変わる瞬間の虚しさと最も近いところにあるもの
何も知らぬまま「普通に」過ごせることがどれだけ幸せか
無知であることは時として救いであると、私は思う

