[ツイッター詩144] (1月詩) | nishiyanのブログ

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この列島の一住民です。(九州)
今までにない最悪の復古的イデオロギー政権を退場させるため消費(GNPの約6割を占める家計消費)を意識的に控える活動を広めることを開始。2017.12.14に休止。★ひとり継続中。

 [ツイッター詩144] (1月詩)


昔は小学校で何年に一度か映画を見に行った
あるいは校舎の壁に白い映写幕を張って
映画が上映されたこともあった
いずれも映画の中身はまったく覚えていないけど
ふしぎな世界だった
物語は稀少だった
そんな通りを通って
ひとりひとり
自分のみちへ入って行った

今では
物語もドラマも
あふれている
それが普通の光景になり
まぼろしの川みたいに
流れてきては去って行く
物語の橋を渡ったり
渡らなかったり
小さな電子機器ひとつが
そんな世界と接続する

過剰な作品たちの中
ひとりひとりの
大事な物語なのに
ひとりひとりの物語は
アウトラインがくっきりとは描けない
あふれかえった
物語やドラマの中
主人公のわたしは
ドラマの手前で
手ぶらで
乾いた風に吹かれている

次々に生み出される物語
誘いかけるCMの言葉や映像たち
知らぬ間に
エンクロージャーされている
ひとりひとりの存在感
そんな通りを通って
ひとりひとり
自分のみちへ入って行くんだろうな