詩『言葉の街から』 対話シリーズ 2645-2648詩『言葉の街から』 対話シリーズ 2645 林の入口に立つ 槙(まき)の木の葉陰に 人形の実たちが見える 2646 夕暮れの濃くなる 入口から 木々の時間の深みを踏んでゆく 2647 身ぶるいの恐れのようなもの が漂(ただよ)い 足音が妙にクリアーに響く 2648 (もう引き返さなくては) 背の方から 引き止める無言がある