夫が逮捕連行されたとき、思い浮かんだのは

東野圭吾さんの「手紙」。映画化もされましたね。

 

殺人事件の加害者の弟が、隠しても隠しても

移住しても移住しても、加害者家族だということが

ばれてしまい、差別にあうという話だった。

 

加害者家族支援団体の方には

「東京に移住したら」

と言われた。実家に帰る選択肢もあった。

だが、私は変わらずに、仙台で生きることを選んだ。

それは、この「手紙」を読んでいたからだ。

 

子どもたちが、「転校したくない」といったし、

仙台ならば、何かのときには、戦うこともできる

自信があったので。私は元議員だし、選挙にも裁判にも

でてきたから。いざというときは、戦えるという

姿勢や支援者の存在が、子どもたちを守るだろうと信じられた。

移住してしまえば、そうは

いかない。文字通り、やられっぱなしに

なってしまうからだった。

 

何十年も潜伏できる資産があるとか

再婚できるなど、「守ってくれる人」がいるとかなら別だが

差別から逃れようとする移住は、生活の不安定を生む

だけなのだ。

 

息子が四人を殺害した

長野の元市議会議員さんが移住しないのも、同じ

理由だと思う。

 

差別が家を奪うわけではなく

仕事を奪うわけでもない。

住みたい場所に住み、仕事をする権利は

憲法が保障しているから。

 

差別するやつなんか、こちらから関わらなければ

よいのだ。攻撃してきたら、倍返し。