今は絶版となってしまいました。初代北九州市長が書いた獄中体験を記した本。吉田敬太郎先生・・・☆
若松、戸畑、小倉、八幡、門司の市長が手を握りあっています。
☆５市合併、北九州市の誕生☆
左から２人目が、吉田敬太郎先生です。
あの軍国主義一色だった時代に、東條政権に対して真っ向から異を唱え、戦争反対を一国会議員として訴えた事から、獄舎に投獄され獄中で幾度も死線をさまよった経験をもった方です。
命がけで戦争に反対した・・・☆
こんなすばらしい国会議員が居たと思うとうれしくなってくる。
北九州市の若松という土地柄もあったかもしれない・・・。
徹底して正義にこだわった人物・・・。
あたしも北九州市に住んでたので、吉田先生にはとても関心が高かったです。
でも・・・、先生と会えずじまいでした。
本当に残念でなりません。
それじゃァ、先生のプロフィールを記してみます。
●故吉田敬太朗（1988年没）牧師は実にユニークな人生を歩んでこられました。小説や映画で有名となった「花と竜」の吉田磯吉親分の息子であり、太平洋戦争中に衆議院議員として当時の東條政権に戦争反対を唱えた為、皇室不敬罪の罪で投獄されました。憎しみと復讐に燃えた獄中で一冊の「聖書」と出会い人生が大きく変えられました。
同じ頃、留守を守る奥様は北九州にある西南女学院（バプテスト派ミッションスクール）を通して聖書と出会っておられ、それぞれが主の不思議な取り扱いを受けておられました。戦後、若松バプテスト教会でバプテスマ（洗礼）を受けて共に信仰生活を送られました。その後、同教会の牧師として召され、奉仕されましたが、人々に請われて当時の若松市（現在、北九州市若松区）市長となり、その後合併して北九州市が誕生した際には、最初の北九州市長として奉職された後、天に召されるまで全国の教会を巡って実にユニークな歩みをされました。
最後の若松市長として1962年に若松と戸畑を結ぶ「若戸大橋」を完成させ、すぐの５市合併（北九州市誕生）では、初代北九州市長を務めました。
そして、戦時中に獄中の体験を記した、吉田先生が残された名著「汝復讐するなかれ」は、21世紀になってもなお憎しみによる復讐の連鎖が断ち切れない社会と人々へ、大切なメッセージを発信しています。この本はキリスト新聞社より発刊され、現在は絶版となって一般には入手できません。
あたしの持っている本は初版ではなく、第２版のものです。
●「汝復讐するなかれ」吉田敬太郎著 キリスト新聞社(絶版)
再版の序文
この小著を世に送ってからもう十四年余にもなりました。月日の、いかに速やかに経過して行くものか、今更のように驚いています。だが太平洋戦争でわが国民の遭遇した物心両面における筆にも口にも尽くせない深甚な損害と悲哀とは、時の力がいかに強大でありましょうとも、私たちの心の傷と痛みとを決して消し去ることは出来ないでしょう。
初版の序文をご覧下さればおわかりになるでしょうが、本書は戦時中私が衆議院議員として理不尽な軍閥政府の投獄をうけ、度々獄死に直面した中から、イエス・キリストの不可思議な御救いにあずかり、神の恵み、逆境の恩寵に浴した一信徒としての証しにすぎません。しかしその後再刷の希望を沢山のかたがたからいただきましたので、母教会の協力によって再刷することに致しました。本書が生きて常に働き給う真の神を知るために多少なりとも皆様のご参考になり得れば幸甚です。
一九八四年一月二十三日
若松バプテスト教会名誉牧師吉田 敬太郎
この序文を書かれた４年後に他界されました。
目次
一 父は｢天下の大親分｣
二 郵船事件など
三 代議士になんかなるな!
四 証拠隠滅の大謀略
五 太平洋カモ撃ち演説
六 ついに逮捕か!
七 天皇の命により土下座せよ
八 不眠不休の拷問
九 秘密軍法会議
一〇 獄中の獄
一一 死の待合室
一二 聖書は地獄の火で読め
一三 神の怒りに任せよ
一四 赤い獄衣の天使
一五 獄中でむし焼き
一六 紋付きとはかまで出獄
一七 復讐するは我にあり
一八 新生塾のころ
一九 牧師、市長選挙に出馬か?!
二〇 牧師の顔です!
二一 汝も行きてそのごとくせよ
二二 ｢皆さん、これがボーフラだ!｣
二三 演説のアンコール
二四 市長牧師十二か年
二五 二十六か年の夢の実現 若戸大橋
二六 神の踏み石
短歌
あとがき
最近の国会議員さんにも、ひと昔こういう素敵な議員さんが居たという事を知ってもらいたいです。
「吉田敬太郎」という人物を知っている人は、そんなに多くはないと思います。
彼の書いたもう一つの本、「獄中記」にはもっと詳しく戦時中の事が記載されています。
現在の国会議員さんにも、彼の生き方をぜひ見習ってもらいたいです☆
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