釣りにどっぷりとハマるきっかけになったのは、「ホッケ」という美味しい魚をビギナーズラックで釣り上げた経験からでした。

 

確かこれも小学4年の頃だったと思います。

 

その日は母方の従弟が我が家に遊びに来ていました。

叔父さんが釣り好きの人で、いつもは子供たちを置いて(?)釣りに行ってしまうのですが、その時はうちの両親も含めて「みんなで釣りに行ってみよう」という話になりました。

 

従弟家族の車とうちの家族の車2台。確か向かった先は「磯谷」だったと思います。

 

叔父にリールの使い方や仕掛けのセット、投げ方をレクチャーしてもらい、ゴロタ場から仕掛けを投げ込みました。

自分は要領がつかめず、手前の浅瀬に「ボチャン」と落ちてしまうを繰り返すばかり。

見かねた叔父が代わりに投げてくれました。

 

うまく投げることはできませんが、せめて自分にあてがってもらった竿。

あたりが来ないかとワクワクと眺め続けていました。

ちなみにうちの家族は全員、釣り道具を持っていなかったので、叔父がすべて貸してくれたのだと思います。

 

潮の香りに波の音。

 

魚がかかる事はもちろんですが、そのロケーション自体がたまらなく楽しかった記憶があります。

 

大きな石に寄りかかり、目をつぶって、大きく息を吸い込んで、ロケーションを満喫していたその瞬間。

 

とつぜん「チリリン、チリリン」と鈴の音が鳴りました。

 

初心者の僕たちにはアタリが取れないと思った叔父は、私たち家族の竿先には鈴をつけてくれていたのです。

 

ハッと目を開けて、竿先を見つめると、「グングン」と海に向かって揺れています。

 

興奮しながらも教えてもらったとおり「アワセ」を入れて、無我夢中でリールを巻きました。

 

竿を持つ手にも伝わる「グングン」という魚の抵抗感。

 

そんなに遠投はしていなかったはずですが、釣り上げるまでの時間がとても長く感じました。

やっとのことで岸辺まで巻いてくると、(その頃のじぶんにとっては)大きな魚が2匹、パシャパシャと暴れていました。

 

岸辺にある仕掛けと魚を手にとった叔父は「ホッケだ!!やったじゃん!!」と声をかけてくれました。

ホッケといえば、開きや煮つけで我が家の食卓に出てくるうまい魚!!

 

家族全員の歓喜に包まれました。

今思えば、そこまで大きな魚体ではなかったと思いますし、ホッケなので、群れていればダブルで釣れることもそれほど珍しい事ではないと思いますが、とにかくビギナーの自分には大興奮に値する釣果でした。

しかも自分で釣った魚を美味しく味わえる。堪らない快感です。

 

この時の興奮が冷めやらず、お年玉が投げ竿セットに替ったのは、このすぐあとでした。

 

それが前回書いた祖父との釣行に繋がります。