昭和40年の決勝戦を、銚子商業を軸に銚子市の野球への力の入れようを考察。現在の銚子商後援会長・阿天坊氏にもインタビューを試み、古豪からのもう一度甲子園への出場を願っての力の入れようにも迫る。

 全国的に商業高校が振るわない現状があるが、そのなかで奮闘ぶりは他の地方のそれと併せて注目だ。

 

 ここからは、些か苦言っぽくなって恐縮だが、選手権地方大会が当時「二県一校」の時代と述べているくだりで、「一部例外もあり、県の面積が広く参加チームが多い地区は(中略)、北と南で勝ち抜いたチームがそれぞれ福岡県代表として甲子園に出ていた」とあるが、福岡県が2代表になるのは80回大会の記念大会以後の記念大会の話だし、谷沢健一が矢沢になっているところもあったりで(これは作者の所為ではないのかもしれませんが)、そのへんが些か画竜点睛を欠くところとはいえる。