刑務所の懲役といえば、刑務所で何某かの労役を科されるイメージだが、本書の題のような役をさせられることもある。赤落ちとは、単純に受刑者になることだったり、狭義では刑務所でなく収容者数の超過などで拘置所で受刑する事で、拘置所で収容者の生活の面倒をみる労役もある。

 受刑者や刑務官といった人の話はよくある話であるが、こうした拘置所内での労役をする人は少なく、近年の死刑囚の近況を知る上でも貴重だ。

 死刑は本人の執行で刑が執り行われるので、ある意味で悠々自適に見えたり、横暴な態度でたびたび問題をおこしている話を初めて読んで、貴重な話だと思えるし、そうした意味では税金の無駄遣い視したくなるのも当然なのかもしれないが、執行されるまであるいは執行直前に味わうであろう死の恐怖があるので、なんとも言い難い感覚だ。

 死刑制度や行刑政策にたいしての理解を深める意味でも、面白く読めてあっという間に読了した。